愛子さま 朝9時前から20時過ぎまで勤務される日も…労働時間について「日赤が示した答え」

猛暑が日本列島を襲っていた7月上旬、18時前に日赤の本社から帰路につかれた愛子さま。この春にご入社されて以来、青少年・ボランティア課で情報誌の編集に従事されているが、そのご精勤ぶりには、周囲も驚嘆するばかりだという。皇室担当記者は、

「6月下旬は朝9時前に出社され、20時過ぎまで勤務される日もあったそうです。通常は18時前後に皇居にお帰りになるのですが、残業もいとわずにお仕事に打ち込まれるのは、何事にも全集中力を注がれて取り組まれる、愛子さまのご性格ゆえだと思います」

日によって退勤される時間もまちまちだが、現在愛子さまの勤務形態や労働時間は、どのような状況なのか。日赤に問い合わせると、次のような回答があった。

《職員の勤務形態につきましては、いくつかのパターンがあり一定ではございません。なお、業務は上司と相談しながら計画的に進めており、ほぼ毎日就業時間内に業務を終えることができております》

平日は朝から晩まで、編集作業などの仕事に没頭される愛子さまを、両陛下は温かく見守られているようだ。

「両陛下も愛子さまのお帰りを待って、なるべくご一緒に夕食をとられているようです。愛子さまが打ち込めるお仕事に巡り合えたことを、両陛下はとても喜ばしく思われていらっしゃいます。

愛子さまがお仕事にも、皇族としてのおつとめにも、懸命に臨まれていることは、国民感情に影響を与えていくでしょう。4月に発表された共同通信の世論調査で、女性天皇を容認する人が9割を超えるという結果が出ています。愛子さまのご活躍ぶりが注目されればされるほど、愛子さまのご即位を願う声は、これからさらに強くなることは間違いありません」(宮内庁関係者)

愛子さまを天皇に――。ご即位を望む声が少なからず上がる一方で、《皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する》と定める皇室典範第一条という“開かずの扉”は、固く閉ざされ続けてきた。しかしいま、その扉が開かれようとしている。

7月2日、東京都内で男系男子による皇位継承の維持を求める保守系団体の会合が開かれ、与野党の幹部が居並んだ。安倍晋三元首相の死後、自民党の“保守派のボス”と目され、岸田文雄首相を支えてきた麻生太郎副総裁が挨拶に立ったのだが、この場で異例の発言を行ったのだ。

「麻生さんは、『次の世代以降の皇位継承については、静かな環境の中で議論を深めていくべき』との考えを示したのですが、これは“大きな路線変更だ”とみる向きが自民党内で囁かれているのです」(自民党関係者)

■政界を動かした「愛子天皇」待望論

同会合での麻生氏の発言はメディアによって報じ方が異なっているが、なぜことさら注目されているのか。神道学者で皇室研究家の高森明勅さんに聞いた。

「これまで自民党は、“男系男子限定によるいまの皇位継承順序をゆるがせにしてはならない”と現実性に欠ける姿勢を堅持してきました。ところが党内の議論をリードする麻生副総裁の発言には、次世代の皇位継承については議論の余地があることがにじんでいました。さらには、“皇位継承の仕組み”の変更についても含みを持たせたとも取れる発言だったのです」

通常国会では、皇族数の確保策について与野党で協議が行われていたが、平行線のまま閉幕。前出の高森さんはこう続ける。

「政府の有識者会議の最終報告がなされてから2年半がたち、天皇ご一家のご活動やご様子を発信するインスタグラムのフォロワー数は176万人を超え、愛子内親王殿下への共感も高まっています。国民だけではなく、政界も変化しているように感じています。

早急に女性皇族がご結婚後も皇室にとどまれるようにして、その次のステップで皇位継承の仕組みそのものについて根本的に議論するという下地が、徐々に整ってきているということなのでしょう」

求心力低下が著しい岸田首相と麻生氏が女性天皇の実現を模索する背景には、逆風が吹く党内の状況以上に、愛子さまの存在感の大きさも影響していると、前出の自民党関係者は語る。

「世論調査でも“次の首相にふさわしい人”の上位に挙がる石破茂元幹事長は総裁選への出馬が有力視されていますが、先月テレビ番組で“女系天皇を否定していいのか”という踏み込んだ発言をしています。麻生さんの発言は、明らかに石破さんを意識したものといえます。歴史上10代8人いた女性天皇と、女性天皇のお子さまが即位する女系天皇に対する見方は、保守派の政治家や論客のなかでも見方が分かれるからです。

ただそれ以上に、愛子さまのご活躍が報じられるにつれて、即位を望む国民の意識も無視できないレベルにまで高まっています。高い世論の支持がある女性天皇の即位を可能にする皇室典範改正を打ち出して実現すれば、政権の維持も不可能ではないと岸田総理は考えているのでしょう」

日本の神話には、皇室の祖先とされる天照大御神が天岩戸を閉ざして隠れてしまい、世界が暗闇に包まれたというエピソードがある。天照大御神が、八百万の神々の求めで戸を開けて姿を見せたことで、世界が光を取り戻したという。

「愛子さまを天皇に」と望む国民の声が、固く閉ざされた“岩戸開かずの扉”を開き、ご即位への道を照らし始めている。

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