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海の中はどうなっていて、どんな魚がいるのだろうか。魚たちが暮らす場での、そのリアルな生活を垣間見たい。そんな思いで水中に潜り、撮りためた写真を集大成しました。クロダイは内湾部や河口域で普通に見られる身近な魚。警戒心が強い傾向にあり、釣り人は日夜さまざまな工夫をこらしつつ、頭を悩ませているそうです。(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)
●文:ルアマガプラス編集部
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水中写真で見るサカナの生態:クロダイ編
【Target Profile】
クロダイ(チヌ)
別名でチヌとも呼ばれるタイ科の魚。北海道南部から九州まで全国に広く分布する。近似種として本州エリアではキビレ、奄美諸島から沖縄エリアにはミナミクロダイ、ナンヨウチヌ、オキナワキチヌが生息する。
警戒心の非常に強いクロダイ
クロダイは警戒心が強い魚として知られている。たとえ水面から見えたとしても、防波堤などで人の姿が海面に映った途端にピュッと逃げてしまうのはよくある経験。潜ってクロダイを観察するときは確かにその警戒心の高さをしばしば実感する。
例えば、釣り人が撒き餌を使っているようなところを海中から見ていると、まず寄ってくるのは小魚やボラといったいわゆる餌取り。クロダイが一番にやってくるということはまずない。
エサ取りなどが騒いでいるのを聞きつけ、遠巻きに現れ、消えてたかと思えばまた現れるという行動を繰り返す。そんなシーンを何度も目撃したことがある。おそらくこれがクロダイの習性ということなのだろう。
そうして安心してエサが食えると判断すれば、近づいてきてようやく捕食。クロダイたちの常套手段なのだ。
濁りが大胆なクロダイの行動を誘発
荒れて濁った日本海の秋の海に潜ったときのことだ。まず撒き餌を数発入れておいてから潜水を開始した。すると、もうすでに海中にはクロダイがいて、オキアミをぱくぱくと食っていた。警戒心が強い魚のはずなのに、めずらしいことだ。
近付いてみても逃げないし、中には水面下まで浮上して積極的に食う魚もいる。濁りで警戒心が薄れ、さらにエサに執心しているので、行動は大胆で食うことにだけ専念しているハイな状態のようだ。水が澄んで透明度が高いときにはなかなかこんな行動は見られない。
一帯には10尾以上のクロダイが右往左往していたが、さらに遠巻きにはもっといたのだろうと考えている。思うにクロダイは人間で言えば人見知りだが、打ち解ければ積極的に盛り上がる…そんなタイプなのではないだろうか。
(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。