SNSで社長に名指しで批判された選手が退団を決意も、「ムカついてる上司を殴れるのはプロレスだけ」と15年分の思いをぶつけるシングルマッチを要求!

9日、新宿FACEにてPPPTOKYO『Vanquish Heaven-天空の祝宴-』が開催。メインイベントで戦った大谷譲二が三富兜翔代表へシングルマッチを要求した。

三富と大谷は学生プロレス時代の先輩後輩の間柄であり、その付き合いは15年になる。
慶應義塾大学在学時の三富は学生プロレスサミット後楽園ホール大会を成功に導いたものの、その意識の高い言動や行動から後輩たちから疎まれることも多々あり、当然モテてもいたため博報堂就職後も浮き名を流すことは数知れず。
だがその意識の高さはしっかりとした実力も伴い、今や最年少プロレス団体経営者としてPPPTOKYOを率いており、自団体をSODとコラボさせ新たなセクシー女優を生み出すなど、ある種学生時代から一貫した行動を貫いている。

大谷は学生当時はギャル男キャラであり、2年生の専門学校を4年かかり卒業。三富の直の後輩としてともに遊び回っていたため当然トラブルを起こすこともあったが、バカな事をしてバッシングを受けても素直でまっすぐな性格ゆえに最後は年齢性別問わず愛され、現在は屈託のない笑顔で初対面の相手でも虜にする人気を得ている。

学生プロレスを卒業後にプロレスラーとなった2人だが、団体が違うため交わることはあまりなかった。しかし2019年に三富がPPPを旗揚げし、2021年に大谷をPPPのリングに上げると「俺はずっと一人でここまで突き進んできた。突き進んできてわかった事がある。それはやっぱり一人じゃ越えられない壁があるんだよ。大谷、この団体の所属になってくれ。10年経ってまた仲間になってくれよ」と勧誘。大谷は様々な葛藤を経て「プライベートでも『僕が入ることのメリットってあるんですか』と伺うことがよくあって、迷っていたんですけど、またお世話になります」と涙ながらに抱き合い入団した。

それから3年、大谷は日本全国の団体から呼ばれ月に十何試合する人気選手に。様々な団体のベルトを保持し、プロレスラーとして今ノリにノッている。
対する三富は宅地建物取引士を取得し不動産業や飲食業に参入。所属選手をBREAKING DOWNやDEEPに参戦させ話題を作り続け、プロレスラーとしては自団体で2ヶ月に1試合する程度だが団体経営者としてはかつてのDDTプロレス髙木三四郎を彷彿とさせる成長を見せている。
だが自らの成長が団体のためにもなるとインディーを中心に戦う大谷と、団体の成長が選手のためになると世間というメジャーと戦う三富の間には立場の違いからズレが生じ、今大会の前に三富は「ヨカタじゃねえんだよ。プロであれ。」と自らのnoteやSNSで大谷を公開批判。
これを受けて大谷は葛藤の末退団を決意し、この日ライバルとも言える大門寺崇とのシングルマッチに挑んだ。

試合は体格が全く違う大門寺がパワーで圧倒していく場面が目立つが、試合中盤に場外から発破をかける三富を見て大門寺が「こいつへの思い俺にぶつけてこい!」と大谷を挑発。これで目を輝かせて笑顔を見せた大谷が強烈なチョップを打ち込んでいき、得意のスライディングDを叩き込む。ビンタの応酬で互いの思いを分かち合い、最後はすべてを受けきった大門寺が変形バーニングハンマーで叩きつけ3カウント。

マイクを持った大門寺は「お前と何年か前に会って、最初試合した時客5人だったな。今日泥水すすってる奴らの夢見せれたんじゃねーのか?華やかじゃなくてもよ、俺達は実力でのし上がっていくんだ。譲二、お前のモヤモヤの元凶のヤツさ、お前ぶっ倒したくないのか?プロレスで始まったんだ。プロレスでぶっつぶさねーか?ネットで書かれるのが嫌だったら、お前の最高のプロレスでトドメささねーか?」と大谷に語りかける。
一瞬迷った大谷だったが目を輝かせて「三富さん!俺、別にイライラとかしてないし、ただPPPに、三富さんについてけなかっただけで。たしかに俺は頭わりーし、どうせ文章なんか打てないし?プロレスやるしかないのか。そういうことかー!すいません三富さん、俺と試合してください」と三富にシングルマッチを要求。

三富は「君も俺も、色んな形を変えてプロレスやり続けて、今は立場も変わってしまって、わかりあえない部分もたくさんある。だからこそ、答えは一つでいいじゃない。リングの中で、プロレスで大谷の思いを全部俺にぶつけてくれよ。皆さん、プロレスだけです、ムカついてるやつを殴れるのは!ムカついてる上司を殴れるのはプロレスだけです!大谷、俺とお前の15年、全部見せつけよう。よろしく」と、9月10日のPPPTOKYO5周年記念大会でシングルマッチを決定した。

吹っ切れた大谷は「俺のプロレスナメてんだろオイ!無駄に俺は月に十何試合やってるわけじゃないんだ。別にマットだって、どこだっていいじゃねーか。俺のプロレスナメんな!俺のプロレスぶつけた結果『やっぱ大谷しょっぺえな、やっぱあいつの行動はドサ回りだ』と言うならばそれまでだし、『やっぱあいつ大したもんだよ』と思ったら俺の勝ちだ!」と思いを語り、翌日に三富に送ろうと用意していた退団LINEを撤回。

リアルな感情入り交じる闘いの末にわかりあえるのか、それとも最後になるのか。
どのような結果になろうと、2人の15年分の思いがぶつかりあう結末に心揺さぶられることは間違いないだろう。

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