臼杵祇園まつり、12日に「曳き出し」 当番町の若衆ら練習に熱【大分県】

臼杵祇園まつりに臨む本町の若衆=臼杵市本町
臼杵祇園まつりに臨む田町の若衆=臼杵市田町

 【臼杵】県内三大祇園の一つ、臼杵市の「臼杵祇園まつり」(県指定無形民俗文化財)に向け、二つの当番町の若衆らが練習に励んでいる。今年は12日に山車(やま)がお目見えする「曳(ひ)き出し」があり、20日まで行事が続く。祭りを待ち望む住民らの熱気は徐々に高まっている。

 当番町は市中心部の「まち八町」のうち、2町が交代で担当。4年に1度順番が回り、今年は本町と田町が山車を巡行する。両町の若衆は6月、日曜を除く毎日2時間を練習に当てた。本番前の今月6日、市中央通り商店街の夜市に登場し、成果を披露した。

 本町は総勢16人。山車が進む方向を指示する采(ざい)を振る際に欄干に足を掛けない「おんな山」の伝統がある。ゆっくりした調子で始まるはやしのリズムや、丁寧なかねの音も持ち味。連長の江藤健太さん(43)は「本町ならではの音の余韻を楽しんでもらいたい。歴史ある祭りを次世代につなぐという強い気持ちで本番に臨む」と意気込む。

 田町は16人で、うち7人が新人。八町の中で最大というかね(直径34センチ)で勇壮な音をかき鳴らす。リズムにも段階があり、めりはりのある演奏が特徴。20~42歳までと年齢差はあるものの、「和気あいあいと練習を重ね、最高のチームに仕上がっている」と連長の松尾英宜さん(38)。「力強い演奏で臼杵市全体を盛り上げたい」と気合十分だ。

 まつりは曳き出しの後、14日の「渡御(おわたり)」で開幕。20日の「還御(おかえり)」、山車の見納めとなる「曳き込み」で幕を閉じる。

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