長年にわたり両生類研究、大分市の日野さんに大臣表彰 「体力の続く限り続けたい」【大分県】

「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受けた日野勝徳さん

 【大分】大分市宗方台西の日野勝徳さん(83)が、本年度の「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受けた。調査・学術研究部門での受賞で、長年にわたる両生類を中心とした調査研究が評価された。日野さんは「思いがけない表彰を頂き感謝している。受賞を励みにしたい」と話している。

 表彰は、自然環境の保全に関する顕著な功績のあった個人と団体をたたえるもので、環境省が1999年度から実施。本年度は全国から31の個人・団体が選ばれた。県内は日野さんのみで県によると、県内からの受賞者は5年ぶり。

 日野さんは中学校の理科の教員として、2000年まで教壇に立った。退職してから両生類の研究に情熱を注ぎ、県内の河川流域で生態調査に取り組んだ。現在も以前会長を務めていた大分生物談話会の顧問として、県内の自然環境や動植物に関する会誌を発行するなど活発に活動している。

 絶滅の恐れがある野生生物をまとめた県の「レッドデータブック」の調査員を08年ごろから務め、県内各地で調査をしてきた。最新の「レッドデータブックおおいた2022」では、両生類の調査班の責任者として主にカエルやサンショウウオのページを執筆した。

 日野さんは本年度、日本河川協会の河川功労者表彰も受賞した。「今後も体力の続く限り研究を続け、人材育成にも尽力したい」と話している。

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