2m以上「月の輪」を頭に ダイナミックな回転で観客魅了 長崎・上戸石五穀神社 

2メートル以上の「月の輪」を頭に着けて舞う井藤さん=長崎市、上戸石五穀神社

 長崎市上戸石町の上戸石五穀神社で7日、田植えが無事に済んだ感謝と豊作を祈る神社祭があった。住民が伝統芸能の「シャギリ」と「ささら浮立」を奉納し、井藤秀俊さん(48)が初めて大役の「月の輪」を演じた。
 約300年前から伝わる浮立は、雨乞いの意味を込めて女性たちが「ささら踊り」や「奉還道踊り」、白装束で鬼面を着けた男性が「掛け踊り」で舞う。かねや太鼓を打ち鳴らす「鳴り物」も含め、約50人が出演した。
 ハイライトは頭に2メートル以上の月の輪を着けて披露する演舞。約15年務めた師匠の上戸信幸さん(59)から引き継いだ井藤さんは、月の輪が大きくしなるダイナミックな回転で観客を魅了した。
 井藤さんは「風にあおられ、練習の通りにはいかなかった」と悔しい表情を見せ「出来は60点ぐらい。師匠よりもうまくなったと言われるよう磨きをかけたい」と意欲を見せた。上戸さんは「大きく動けるようになればもっとよくなる。まだまだこれから」と教え子にエールを送った。

白装束に鬼面を着けて太鼓を打ち鳴らす「掛け踊り」

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