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雨や日差しから守ってくれる傘。梅雨や紫外線が気になる季節、活躍する機会も多いでしょう。なにげなく使っていますが、お手入れを意識していない人が少なくありません。そこで、傘の魅力を広く伝える世界初の「傘ソムリエ」として活動している土屋博勇喜さんに、正しいお手入れ方法や意外に知らないNGについてお話を伺いました。
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手軽な日頃のメンテナンス しっかり手入れで撥水加工の復活も
――傘が活躍する季節ですが、使ったあとのケアを忘れがちな人が多そうです。また、最近は日傘を使う人も増えています。雨傘、日傘、晴雨兼用傘で、お手入れ方法に違いはあるのでしょうか。
「雨傘、日傘、晴雨兼用傘の用途別で、そこまで違いはありません。日頃のお手入れ方法としては、38~40度くらいのぬるま湯を表面に10秒ほどシャーッと流し、傘をパタパタと開け閉めして水を切ってから、陰干しするだけ。その際、傘の裏面が濡れないように注意してください」
――それくらいなら手軽にできますね。そのほかに「これもやっておくといい」といった、傘のお手入れはありますか?
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「雨傘の撥水加工を復活させるために、アイロンを使ったお手入れ方法もありますよ。
1. 傘を広げて直射日光を避けて陰干し
2. アイロンをドライ中温にセットし、傘の内側から軽くかける
目安は3~4分くらいです。そのとき、長時間アイロンをかけたり、圧力をかけすぎたりすると、傘の表面の繊維を傷めてしまいます。また、生地が水分を含んでしまうため、スチーム機能はご使用をお控えください。
素材によって異なることもあります。溶けたり繊維を傷めたりしないよう、アイロンをかける際は状態を見ながら、慎重にやるようにしてください」
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傘を傷めるNG やりがちな2つのこととは
――お手入れや使い方について、「意外に知られていないけど、これはNG」といったことはあるのでしょうか。
「ついつい、やりがちなことが2つありますね。まず、傘を濡れたままたたんでしまうこと。そのままにしておくと、カビ臭くなってしまいます。使ったら、毎回きちんと乾かしてから保管してください。
あと、傘を開く前に、振ってほぐさずに開いてしまうのも良くありません。骨が絡まった状態で人の力が加わると、破損や変形が発生するおそれがあります。完全に折れていない場合でも、ひびなど目に見えない損傷が起こっている場合があるので、よく骨をほぐしてから開くようにしてください」
――丈夫な傘や、長持ちする傘の選び方はありますか?
「風に煽られにくく、壊れにくい傘を求めるなら、耐風構造に注目。衝撃を受け流す耐風構造が備わった傘は風に強く、強風でひっくり返っても一度閉じれば元に戻りやすいのが特徴です。
さらに、親骨に樹脂を繊維で補強したFRP(繊維強化プラスチック)などが使われていれば、風に強いだけではなく折れにくさも期待できます。軽量なので、お子さんでも扱いやすいかと思います」
雨が降ってきて、いざ使おうと傘を開いたらカビ臭かったり、壊れていたりしたら困ってしまいます。お手入れをしっかりして、お気に入りの傘を長く大事に使いたいですね。
○取材協力:土屋博勇喜さん