げっぷやおなら、人にある生理現象は猫にもある? 獣医師に聞きました

生きているために起こる生理現象は、人だけにあるものではありません。猫にも生理現象はありますが、なかには飼い主さんが気付いていないものも。そこで今回は、人にある5つの生理現象をピックアップし、猫にもその生理現象はあるのか、獣医師の重本仁先生にお話を伺いました。

(1)「げっぷ」は猫にもある! ただし頻度は少なめ?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

げっぷは、食べ物や飲み物を口に入れた際に一緒に入った空気が、胃腸から逆戻りして口から出たもの。猫も人と同様にげっぷをしますが、頻度はそう多くはなく、気付く飼い主さんも少ないでしょう。

なお、猫のげっぷの原因としては、グルーミングや飲食時に一緒に空気を飲み込んだため、あるいは、吐き気があるときの前兆と考えられています。

(2)ほとんど気付かれない?「しゃっくり」は猫にもある

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

横隔膜(おうかくまく)がけいれんした状態が、しゃっくりです。猫もしゃっくりをしますが、おなかがピクピクするだけで、口から音を発することはほとんどありません。そのため、飼い主さんが気付くことは少ないでしょう。

フードをたくさん食べたあとやグルーミングのあとなど、胃腸が何らかの刺激を受けて起こりやすいですが、すぐにおさまることが多いので、とくに心配はいりません。

(3)猫は交尾排卵動物!「生理」は猫にはない

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

人や犬をはじめほとんどの哺乳類は、周期的に生理が起こる完全性周期動物です。一方、猫は交尾をしたときの刺激で排卵する交尾排卵動物なので、人の女性にある、いわゆる「月経」がありません。

猫は精子を迎えるタイミングで排卵するので、交尾をすれば高確率で妊娠することが考えられます。ちなみに、フェレットも猫と同様、交尾排卵動物です。

(4)「おなら」は猫にもある! ただし音はしないことが多い

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

おならは食べ物が胃腸で消化される過程で発生したガス。猫もおならをしますが、ほとんど聞こえることはありません

これは、自然界で音が出ると不都合だからという説もありますが、体のサイズが影響している可能性も考えられます。とはいえ、ニオイがすることもあるので、それで気付く飼い主さんもいるでしょう。

(5)鼻と肉球だけ!「汗をかく」は猫にもある

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

人と異なり、猫の皮膚には汗腺がないため、猫が汗をかくのは、鼻と足裏にある肉球だけ。

それも人のように、体温を下げる体温調節機能として汗をかくのではなく、緊張や不安といった心理的な要因で汗をかくことが多いようです。人でいう「冷や汗」や「あぶら汗」に相当するのかもしれません。

このほか、足元が滑らないようにするために、肉球から汗が出る場合もあります。

なお、生理現象が生じる頻度や様子などによっては、病気のサインであるケースも。気になる場合は、動物病院で診てもらいましょう。

お話を伺った先生/重本仁先生先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2023年2月号『人みたいにげっぷやおならをするか知りたい! 生理現象、猫にある? ない?』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。

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