リアル/バーチャルの垣根を超えたモータースポーツの取り組み多数…eスポーツビジネス事例を学ぶ【自動車産業編】

リアル/バーチャルの垣根を超えたモータースポーツの取り組み多数…eスポーツビジネス事例を学ぶ【自動車産業編】

本誌e-Sports Business.jpでは、eスポーツ領域で新しいビジネスを展開しようとするマーケターや新規事業担当の方に向けて、eスポーツビジネスの事例を発信しています。今回は、eスポーツチーム/大会への協賛や社内交流への活用などが活発な「自動車」の分野について、代表的な取組みを紹介します。

マツダ

直近で大きく話題になった取り組みを行ったのはマツダです。同社の2024年度の新入社員入社式では、「『走る歓び』を新入社員に知ってもらうこと」を目的に開催された、eスポーツを活用した交流イベントです。新入社員と先輩社員がチームを組み、eモータースポーツでレースで対戦しました。企業の社内交流にeスポーツを活用することの有用性が認知され、事例も増えていますが、このマツダの取り組みは事業とeスポーツの特徴をうまく掛け合わせた事例といえるでしょう。

また、同社は近年eモータースポーツ大会の開催に力を入れており、2023年にはPlayStation4/5用タイトル『グランツーリスモ7』によるeモータースポーツ大会「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2023」を開催。成績優秀者はリアルレースでの挑戦イベントに招待するなど、リアルとバーチャルを掛け合わせた先進的な取組みを見せています。

ホンダ

早くからeスポーツの取り組みに着手したのがホンダです。2019年1月、世界的なeスポーツチームである「Team Liquid」とパートナー契約を、8月には「League of Legends Championship Series (LCS)」ともスポンサーシップを結びました。

この取り組みについてホンダは、eスポーツファンの大部分を締める若年層との繋がりを求めていると明言しており、日本国内だけでなく海外でも叫ばれている「若者の車離れ」の解決策のひとつとしてeスポーツを活用しようという意図が見えます。

日本国内においても、ホンダはeスポーツに力を入れ始めています。昨年、同社初の公式eモータースポーツイベント「Honda Racing eMS 2023」を開催。これはマツダ同様『グランツーリスモ7』を用いた大会で、同タイトルに収録されている車種「CIVIC TYPE R」でラップタイムを競うもので、今後もこの取り組みが続いていくのか、注目が集まります。

プレスリリース「Honda初の公式eモータースポーツイベント 「Honda Racing eMS 2023」を開催」より引用

JeMO

日本国内におけるeモータースポーツの動向においては、JeMO(一般社団法人日本eモータースポーツ機構)が開催する、日本自動車連盟(JAF)から公認ライセンスを受けた唯一のeモータースポーツ大会「UNIZONE」にも注目です。この大会は「社会インフラとしての車にとどまらない楽しさや魅力ある未来のモビリティの実現」をビジョンに掲げ、さまざまなゲームタイトルおよびレギュレーションを採用しながら、自動車業界とeスポーツ業界の双方を盛り上げることを目指しているといいます。

直近では、電気自動車レース「フォーミュラE」に合わせて東京都が主催したイベント「E-Tokyo Festival 2024」内でエキシビジョンマッチを開催。リアル、バーチャルの垣根を越えた盛り上がりを見せました(JAF公式サイト)。

プレスリリース「【3/31開催決定】国内唯一のJAF公認eモータースポーツ大会UNIZONE E-Tokyo Festival2024で大会開催&出展を決定!イベント内容発表!」より引用

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