ヤギの睾丸を生食 神田コウヤの446平米メガジム「THE BLACK BELT JAPAN沖縄」探訪

TBJ沖縄でトレーニングをした神田コウヤ(前列左から3番目)【写真:本人提供】

「柏の練習とは違う雰囲気でした」

格闘家の神田コウヤ(28=THE BLACK BELT JAPAN)は14日に開催される格闘技イベント「DEEP120 IMPACT」(東京・後楽園ホール)で木下カラテと対戦する。今回の試合に向けて6月6日から10日間、THE BLACK BELT JAPANの沖縄支部でファイトキャンプを行った。生まれ変わった新ジムの設備や練習について神田が教えてくれた。(取材・文=島田将斗)

広さは446平米のメガジム【写真:本人提供】

元修斗世界バンタム級王者・松根良太氏が仕切るTHE BLACK BELT JAPANの沖縄支部は有名観光地・国際通りから車で10分ほどの場所にある。広さは446平米。室内は全体的にグレーを基調としたモダンな印象だ。アットホームな玄関を抜けると練習スペースまで通路がある。その通路にはパラエストラグループ・中井祐樹氏やTBJ鶴屋浩代表の写真が飾られている。

「やっぱり柏の練習とは違う雰囲気でした。もちろんいつもとメンバーが違うのですごくいい練習ができました。松根代表が仕切っていて、鶴屋代表とは技術も違うから普段取られないような技で取られたり、そういうこともありました。それが新鮮ですごく良かったです」

普段とは全く違う練習。MMAのドリルのほかにグラップリング、キックボクシング、レスリングなどさまざまなルールでのスパーリングを行ってきた。

「鶴屋代表とは技術も違うから普段取られないような技で取られたりすることもありました。それが新鮮ですごく良かったです。出稽古で行っている立場なので、沖縄の方々は自分から取りにきている。全員が削りにきている感じが良かった。みんな全力でやっているんですけど、自分相手のときに出力をあげてきているからすごく疲れました。練習時間も長いし、強度も高かったので本当に肉離れしそうになるくらいきつかったです」

技術の違いも肌で感じた。

「柏の練習は個人の強みを生かしていって試合を通して強くなっていく感じなんですけど、沖縄の選手はまた違って技術体系もある程度一環していました。松根さんが教えていて、選手はそれに基づいて動いているなと。この展開になったらこう動くみたいなものもありました」

マットスペースも広々空間【写真:本人提供】

気になる設備は?

気になるのはやはり設備だ。練習場所には、青のマットスペースのほかに幅6メートル50センチの8角形の金網も設置されている。

「建物の2階にあって、ケージもあるし、とにかく広い。柏道場も広いんですけど、人数が多くてタックルするときは『壁に向かってタックルする』という規則があるんですよ。自分が壁を背負った状態でタックルするのは、他の人にも衝突してケガの原因にもなるのでダメ。その点、沖縄は広いので、そういうことをあまり気にしなくて大丈夫。1度に30人ぐらいはスパーリングで使えると思います。体感で1.5倍ほどに感じました」

幅6メートル50センチの8角形の金網【写真:本人提供】

神田自身が最も興奮したのはケージだった。

「自分はそこでMMAのスパーリングを1対1で練習したりしました。広いので2組ぐらいで練習できますね。ケージって硬いので、あざとか残りました。めちゃくちゃ痛かったです(笑)。ケージのないジムだと壁に顔とかで寄りかかれるんですけど、ケージだとそれは無理。本当に全然違いましたね。扉を閉められて1対1で向き合うっていうのは緊張感のあること。試合以外ではなかなか味わえないので良かったです」

新設されたばかりの浴室【写真:本人提供】

練習場所以外の設備も充実している。浴室にはシャワーが3台と大きな浴槽が2つある。1つは水風呂として使うものだという。柏では練習後に1人ずつ浴びていくため待ち時間などもあったが、沖縄ではその不便も感じなかったと振り返った。着替えなどをする控室には大きなエアコンも完備。漫画も置いてあり、個室も2部屋作られていた。

「着替えているときも全く混みあわない。柏は3人入るとぎゅうぎゅうですが、その3倍以上はありましたね。それがすごく良かったです。選手が泊まれる部屋もそこにはありました」

TBJで活躍してきた者たちのパネル【写真:本人提供】

マットスペースの近くの壁には、TBJで活躍してきた者たちの白黒写真も。そこには当然DEEPの王者になった神田の姿もあった。

「うれしいですよね。自分は沖縄の選手ではない。それでもそこにちゃんと入れてもらえたのはやっぱりうれしい。嫌気がさしていた部分もあったけど、格闘技を続けてベルトを獲って良かったなと思いましたね。存在意義みたいな。もっと頑張ろうと思いましたね」

最後におすすめのグルメも教えてくれた。

「ヤギ肉がおいしかったです。松根さんおすすめの『やぎ料理まるまん』という所に行きました。ヤギ肉はくさいと聞いてたんですけど、全く臭みはなかった。生肉に睾丸、内臓とか入ったヤギ汁、本当においしかった」

「今後も定期的に、必ず毎年行きたいです」。特別な環境で過ごした5日間は神田にとって最高のファイトキャンプになったようだ。島田将斗

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