コウメ太夫が明かした『エンタの神様』ブレークの道のりと、総合演出・五味一男の証言

ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶの“毒舌コンビ”がMCを務めるテレビ朝日系『耳の穴かっぽじって聞け!』。9日深夜放送分では「井口が聞きたいあの人の本音」として、ゲストにピン芸人のコウメ太夫が出演した。

「芸能界の中で一番、何考えてるかわかんない」と井口に評されるコウメ。2005年に『エンタの神様』(日本テレビ系)に出演し、「チクショー!」のネタでブレーク。その後、約20年にわたって芸風を貫いている。

井口の質問は、「雑なイジりに不満はない?」「同じ事務所の後輩に嫉妬する?」「ネタ作りのこだわりは? 憧れの芸人は?」というもの。

コウメが所属するSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)は、『M-1グランプリ2021』(テレビ朝日系)王者の錦鯉、『キングオブコント2012』(TBS系)王者のバイきんぐをはじめ、現在ブレーク中のやす子など数々の後輩が活躍しているが、コウメはこうした後輩たちについて「そもそも『自分は自分だ』と思っているので嫉妬は基本しません」と胸を張る。

というのも、SMAにとってコウメは初のブレーク芸人だった。04年に渡辺プロダクション(現ワタナベエンターテインメント)からSMAに移籍してきた平井精一氏がお笑い部門を設立。その立ち上げ時に、バイきんぐ、だーりんず、錦鯉などに続いて所属したのがコウメだった。

当時は「貴けんだー」というコンビだったが、所属からほどなくして解散。以降、ピン芸人としての活動を始めるが、『エンタ』でのブレークまでそう時間はかからなかった。

コウメは今回の『耳の穴』で、『エンタ』出演の経緯についても明かしている。

「売られていたお笑いの本を何度も読み直して勉強しました」というコウメ。その本を書いていたのが『エンタ』のプロデューサーだったことに後になって気づき、驚いたという。

また、当時『エンタ』でブレーク中だった波田陽区のネタにヒントを得て、「これを女形でしている人がまだ出ていない」ことから現在のキャラクターを決意したことを明かしている。

「何を番組が求めているのか、どんなネタをプロデューサーが好みなのかとか模索しながら(ネタ作りを)やるのがこだわりです」と、意外に研究熱心な一面を見せたコウメだった。

コウメが「小梅太夫」として『エンタ』デビューを果たしたころのことを、『エンタ』総合演出の五味一男プロデューサーが語っていたことがある。

2021年1月に、同じく『エンタ』がきっかけでブレークしている陣内智則のYouTube「陣内孝則のネタジン」で公開された「エンタの神様 総合演出 五味一男登場!テレビ界の超大物と陣内がガチトーク!」という動画で、五味氏が振り返る。

「小梅太夫、俺が考えたんだもん。芸名を」

「あいつオーディション来て、コンビですっていうんだけど、相方は? って聞いたら『人形です』って言うんだよ。ヤベェなと思って」

「今日からおまえは小梅太夫なって。その場で付けたの。5秒くらいで」

また、「チクショー!」と叫ぶネタについても「やって」と指示を出していたことを明かし、そのネタをモチーフとして発売された楽曲「小梅日記」の作詞者として、自身がJASRACに登録されていることも明かしている。

『エンタ』でのブレーク後、占い師に「小梅をコウメに変えないとトラックにひかれる」と言われ現在の芸名に改名したコウメ太夫。伝説的番組『エンタ』の語り部としても、今後の活躍を期待したい。

(文=新越谷ノリヲ)

© 株式会社サイゾー