『虎に翼』テスト偽装、意味深カルタ…伏線続々鮮やか回収でネット盛り上がる「カムカムとの共通項」

《点数改ざんに気づいた人、凄い》
《84点の考察、ドンピシャやんけ》

7月10日、伊藤沙莉(30)がヒロイン・猪爪寅子を演じるNHK連続テレビ小説『虎に翼』第73話が放送された。寅子は日本初の女性弁護士・裁判所所長となった三淵嘉子氏がモデルだ。テレビ誌ライターは言う。

「家庭をかえりみず仕事に没頭していた寅子は、甥の猪爪直明(三山凌輝)から、愛娘・優未(竹澤咲子)のテストの点数が偽造されていたと初めて聞かされます。そして、それは寅子に問題があると指摘され愕然とします。

ちょうど1週間前の3日、第68話の放送回で、優未が算数のテストで84点を取り、寅子がテストの点数だけを見て、“ミスを減らして満点を目指すのよ”と話すシーンが描かれていました。

実はその放送直後、“84点の文字が何かおかしい”“寅子の帰宅直後に、優未が赤鉛筆を持った場面を映したのは、点数を偽装したためだ”“84点は実は34点だったのでは”といった熱心なファンのSNSが一部で大いに盛り上がっていました。

10日の放送分では、実際のテストの点は、その斜め上をいく31点だったと判明します。直明は寅子に『ちょっと解答用紙を見れば、偽装だってすぐ分かる。もちろん、テストの点数を誤魔化すのは悪い。でも優未は、お姉ちゃん(寅子)の顔色をうかがって、ズルしてでも、いい子のフリをしてる。それを、お姉ちゃんも求めてきた』と勇気を出して打ち明けたのです。ネットでは伏線の見事さに驚嘆する声が相次いでいました」

この日の放送のラストでは、寅子の帰宅前、子供たちがカルタ遊びに興じていた。その読み札にも、ネットはザワついていた。

「カルタの最後の読み札が『知らぬが仏~』だったのです。周囲の気持ちをまったく理解できていなかった寅子の現状を“代弁”していたのです。SNSでも『皮肉なカルタ』『カルタの札にまで伏線があるとは』などと絶賛されていました」(前出・テレビ誌ライター)

近年の朝ドラでは、『カムカムエヴリバディ』が“伏線回収が見事”とネットがうなった名作として知られる。前出のテレビ誌ライターが続ける。

「『虎に翼』は『ブギウギ』とのコラボが先日話題になりました。その一方で、寅子がラジオ番組によく出演するなど、ネットでは頻繁に、同じく戦前から物語が始まる、ラジオ英会話を柱にした『カムカムエヴリバディ』との“共通項”もあげられていました。

実際、両作品には同じ役者さんがそれぞれ個性的な役で数多く出演しています。放送初期に登場した、検察官・日和田を演じた堀部圭亮さんは『カムカム~』では、癖が強い“ケチ”の吉右衛門役。華族令嬢・桜川涼子(桜井ユキ)のお付き・玉役を演じた羽瀬川なぎささんは、『カムカム~』では、3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)が出場したミスコンで優勝する役でした。また、寅子の友人、梅子(平岩紙)の姑役の鷲尾真知子さんは『カムカム~』初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の祖母役を演じていました。

寅子の現在の同僚で、家庭局を支える汐見圭役の平埜生成さんは『カムカム~』では映画村の職員・榊原誠を熱演。また、“強面”の元少年裁判所職員・檀役の土平ドンペイさんも、『カムカム~』では『破天荒将軍III』監督の轟強役で、ネットでは《そこはもう条映太秦映画村だ!》と両作の関連性を喜ぶ声があがっていました」

今後も名作『カムカム』と“リンク”するシーンが出てきそうだ。

© 株式会社光文社