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物価の高騰が続く中、野菜や果物を格安で販売する青果店が愛知県小牧市にあります。どのように低価格を実現しているのか。そして格安の裏にある社長の思いを取材しました。
「物価高の中、ありがたい」
愛知県内で3店舗を展開する青果店「ベジブル」。店内は野菜や果物を買い求める客でにぎわいます。
客:
「安いなあと思って。(物価高の中)ありがたいですよね」
「ナスも袋いっぱいで190円でしょ。190円なんて絶対にないです」
大きなトマトが4個で100円、リンゴは10個で490円。一般的なスーパーの価格の3割から5割ほどです。
ベジブル 堀内塁社長:
「『ベジブルのおかげで安く購入できる』などの声はいただいています。必要とされているんだなと、やる気につながりますね」
どうしてそんなに安く販売できるのか、名古屋市中央卸売市場での仕入れに同行させてもらいました。
ベジブル 仕入れ担当 田中奏樂さん:
「葉先が枯れています。スーパーは枯れていると仕入れません。こういった商品がうちに(格安で)来ます。
エンドウマメは頭に擦れや傷が入っていて色が薄すぎるなど、皮がダメになっているだけで、中は全然きれいなので。むいてもらえば全く問題ないです」
傷があったり、賞味期限が近かったりといった、いわゆる“ワケあり”の野菜や果物を格安で仕入れているんです。
業者:
「買い手がつかなくて。基本的には廃棄っていうのが多かったんで、(ベジブルは)救世主ですよ」
さらに仕入れた商品はバックヤードでひと手間かけて、店頭に並べます。自前で加工することで、コストを抑えています。価格転嫁の要因となる経費をできるだけ抑え、商品を安く提供しようと考えています。
なぜ、そこまで安さにこだわるのか。そのワケは創業時のある思いにありました。堀内社長がベジブルを立ち上げたのは、コロナ禍が始まって少し経った2020年5月です。
ベジブル 堀内社長:
「コロナのときに緊急事態宣言が出て、学校の給食とかも止まってしまいました。余った食材が大量に廃棄されているのを見て、これはもったいないな、と」
商品の大半は午前中で売り切れ
掲げたスローガンは「なくそう!フードロス」。商品が売れ残って、それこそフードロスにならないよう、格安にこだわっているんです。実際、商品の大半は午前中で売り切れるといいます。
ベジブル 堀内社長:
「農家さんはお金の足しにもなります。安価に食べられるからお客さまはハッピー、架け橋になることで、私たちに利益が出てハッピー。これで三方よしという関係で今後も頑張っていきたいです」
「もったいない精神」は祖父の影響
そんな堀内社長の口癖は「もったいない」。
「捨てるというのはもったいない」
「エアコン代がもったいない」
「電気代がもったいない」
この「もったいない精神」は、堀内社長の祖父である故・櫟木久助(いちのき・きゅうすけ)さんの影響だといいます。
故・櫟木久助さんは、リサイクルショップ「キンブル」の創業者。櫟木さんは日ごろから「もったいない」を体現していたといいます。
ベジブル 堀内社長:
「『もったいないことはなるべくするな』と、常日頃から言われていました。もしかしたらこの『もったいない精神』から、リサイクルショップを始めたのもかもしれないですね」
祖父から受け継いだ「もったいない精神」でフードロス解消を目指し、ビジネスを興した堀内社長。青果だけでなく、肉や魚を提供するのが今後の目標です。
ベジブル 堀内社長:
「廃棄されているものを見つけたら、もったいないので弊社が買う。それを一般のお客さまに安く売ります。必要な方たちの元に届いてフードロスがなくなればいいなと思います」