子どもの視力が悪いのは・・こころが関係してるって本当!?視力との関係についていわみ眼科理事長岩見先生に伺いました!

字が見えにくいと子どもに言われて眼科に行ったら「こころが関係しているかも」と言われた!
親としたらどうしたらいい?視力は戻る?そんな悩みに医療法人社団久視会いわみ眼科理事長 岩見久司先生にお答えいただきました。

ものが見えにくいとお子さんが訴える、これは焦りますよね。最近の傾向として近視のお子さんが大変増えているのもあります。
しかし実は、その影でこころの影響で視力低下を訴えたり、視力検査に引っかかったりするお子さんも増えているのです。

子どもたちは不調を訴えるのが苦手

赤ん坊はどんなことでも「泣いて」訴えることしかできません。そこから子どもたちがどんどん言葉を覚えていきますが、意味をちゃんと理解するのはずっと先です。間違った言葉でもいいから練習がてら話し続けます。また、子どもたちは自分の感覚がどんな言葉に該当するのかを学ぶのはもっと後になります。
なにか初めての問題に直面したとき、どう言えばいいかわからないお子さんがほとんどです。「ちゃんと言えばいいのに!」とお子さんに声をかけた記憶のあるお母さま方も多いと思います。しかしそんなときに子どもたちは、「どう言えばいいかわからなかった」と感じているかも知れません。困ったときに、それを表現するやり方がわからないのです。

心因性視力障害と言われたら
ストレスや問題を抱えたとき、訴え方の分からない子どもたちは屈折した表現をしてしまうときがあります。眼は悪くないのに見えないと訴えたり、見えているのに視力検査に引っかかったりします。心の問題からくるこれらの行動を心因性視力障害と呼びます。注意していただきたいのは、子どもたちに悪気は全く無く、全力で見えないと思っている、または視力検査を間違ってしまうということです。なので、子どもたちが嘘をついていると思って叱責するのはNGです。心因性視力障害とは子どもたちのSOSなのです。

目が本当に悪い可能性もある
見えないという訴えがあったとき、その原因が最近急増中の近視の始まりであることも多いです。結局どういう状態なのかを確認するには、眼科を受診するしかありません。眼科では、近視や遠視、乱視などの屈折異常や、稀ですが先天性の神経の異常や特殊な病気なども含めて検査をします。何事も早期発見、早期治療です。

親子のコミュニケーションが大切
まず見えているかどうか。これは例えば遠くの看板が見えているか、宿題の字が読めているか、こまめにお子さんの様子を見てコミュニケーションをとっていると様子がわかります。小学校に上がる頃には問題がなければお子さんは大人と同じものが見えているはずです。その情報と、眼科の検査結果を照らし合わせると本当の状態がわかってきます。
また、心因性視力障害があるからといって、慌てるべきではないかもしれません。親側が意識すること、それがまたストレスになる可能性もありますし、子どもたちが萎縮して解決の糸口が見つかりにくくなることもあります。まずはコミュニケーションを増やしましょう。そうするだけで子どもたちは安心しますし、子どもたちが抱えている問題のヒントが増えてきます。コロナ禍を経て、不登校なども含めて子どもたちの心の問題は増えているようです。子どもたちは未熟な存在であり、はぐくむという気持ちで接していくのが大切かと思います。

執筆者

岩見久司先生
大阪市立大学医学部卒
医療法人社団久視会 いわみ眼科理事長
眼科専門医
医学博士
兵庫医科大学非常勤講師

経歴
1日100人を超す外来をこなしながら、若手医師の教育や医師・医療関係者向けの講演も頻繁に行っている。
加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などを得意とする網膜内科医。
網膜の病気に将来繋がっていく可能性のある小児の近視が現在急増しており、近視治療にも積極的に取り組んでいる。
令和5年度より、「100歳まで見える目」をたくさんの方が持てるように啓蒙活動を展開している。
ドクターズ・ファイル https://doctorsfile.jp/h/189711/df/1/
いわみ眼科チャンネル(youtube)https://www.youtube.com/@dr.iwami911eye

いわみ眼科ホームページ
https://iwami-eyeclinic.com

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