2024年5月に開設された「出産なび」。全国の分娩施設の出産方法や費用がひと目で分かると、閲覧数120万回越え!

引用元:SunnyVMD/gettyimages

妊娠が判明して、「さあ、どこで出産する?」というとき、何からどうやって調べたらいいかわからないという人も多いのでは? 出産方法や施設の特徴、里帰りするかどうか、自宅や実家からの距離など、自分の希望とマッチする分娩施設を探して選ぶのは大変な作業です。

そんな妊婦さんのために、全国の分娩施設を検索できる「出産なび」という検索サイトを厚生労働省がスタートさせました。どんな検索ができ、どんな情報がわかるのか、令和6年5月末に開催された記者説明会の内容とあわせて、たまごクラブ編集部がお伝えします。

妊活にかかるお金を知ろう【専門家監修】

全国2000件超の分娩施設の特色・サービスや費用がわかる

施設の種類、立ち会い出産や無痛分娩実施の有無などでも検索できる

「出産なび」で検索できる分娩施設は全国2000件以上。年間の分娩取扱件数が21件以上の、出産育児一時金の直接支払制度を利用していて、今でも分娩を取り扱っている施設の約96%が掲載されています。

パソコンやスマートフォンで「出産なび」と検索すると、厚生労働省の「出産なび」トップページが表示されます。都道府県、市区町村からだけでなく、詳細条件も選択して検索可能です。

立ち会い出産や無痛分娩の可不可、助産ケアの有無などでも検索できる

詳細条件の選択項目には、病院か個人産院かといった施設の種類、個室の有無や立ち会い出産、無痛分娩が可能かどうか、授乳支援等のケアの有無などがあります。

初めての妊娠では、「助産ケア」など、知らない言葉もあると思いますが、どういうことかの解説も掲載されています。

妊娠したばかりで、何をポイントに分娩施設を選べばいいかわからない女性にとって、まずはこの選択項目を見ることで、施設で受けられるケアや自分が何を大切にしたいかが少しイメージできそうです。

施設情報には、費用の目安も

分娩費用の目安がわかる(図はイメージ)

検索すると、該当する施設の一覧が表示され、それぞれの施設情報を確認できます。
地図上から施設を選ぶことも可能です。

それぞれの施設の情報には、基本情報として、住所や電話番号、施設自体のHPが掲載されています。

そして、施設の分娩費用の目安が掲載されているのが「出産なび」の大きな特長のひとつ。
出産したい施設ではどのくらい費用がかかるのかが具体的にわかります。

そのほかに、外来予約が可能か、SNSアカウントがあるか、外来受付時間なども掲載されています。

よりくわしい情報や雰囲気がわかる写真は、各施設のHPで確認できますが、絞り込むまでに、候補の分娩施設を一度に検索できるのは、とても役立ちます。

使うママたちの「こんな機能があったらいいな」を反映して更新

記者会見会場にて。右から稲葉可奈子先生、シオリーヌさん、冨樫真凜さん、厚生労働省の柴田直慧さん

「出産なび」の開設にあたっては、多くの妊婦さん、ママの声をヒアリング。そのなかの1人、「出産なび」のPR大使・冨樫真凜さんは「妊娠を機に夫の実家に移って出産したのですが、知人友人が少なく情報収集に苦労しました。当時、出産なびがあったら、産院を選ぶ段階を踏む回数がぐっと減ったのに…と思います。PR大使として、実際に使った人の声を厚生労働省に届ける、かけはしのような役割を果たしたい」とコメント。

さらに、記者説明会に登壇した助産師で、性教育YouTuberシオリーヌこと大貫詩織さんは「妊婦さんのニーズに応えたいという、熱があるサイト。妊婦さんは調べること、準備することがたくさんありますよね。中でも産院選びはハードルが高いもの。ざっと絞り込むことが簡単になるのは期待できますし、こうなったらいいのにな、という声がたくさんフィードバックされると、よりいいサイトになるのでは」とコメント。今後、情報の更新と同時に、妊婦さんが選びやすい項目が増えることも期待したいですね。

同じく記者説明会に登壇した産婦人科医の稲葉可奈子先生は「出産なび」が使いやすく、役立つサイトであるとしたうえで、妊婦さんに向けて活用するときに気をつけてほしいことをコメント。
「お産は何があるかわからないので、費用だけを重視して、住まいから遠い病院を選ぶことはしないでほしい。ある程度近い病院で出産することも、安全面で大切なことです。そして、いろいろ自分の希望にマッチさせて通っていたものの、赤ちゃんや母体の状態によっては、安全最優先で大きい病院に転院することもある、ということは知っておいてほしいですね」

取材協力/厚生労働省 保険局保険課 取材・文/茂木奈穂子、たまひよONLINE編集部

●記事の内容は2024年6月の情報であり、現在と異なる場合があります。

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自宅や実家の近くにどんな分娩施設があるのかを一つひとつ調べる作業が一度にできる「出産なび」。施設ごとに費用の目安がわかり、心づもりができるのも妊婦さんには助かります。まだ分娩施設を選びきれていない人、2人目を考えている人は、ぜひ活用してみては。

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