ゲーム動画が貴重な時代のオアシス…ファミコン世代なら知ってる?「懐かしのゲーム番組」

ファミコン『ドルアーガの塔』『魔界村』『たけしの挑戦状』『グラディウス』『スーパーマリオブラザーズ』『ベースボール』『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエスト2』(編集部撮影)

現代ではインターネットを通じて、ゲームに関するさまざまな最新情報を手軽に得られるようになった。しかし、ファミコンブームだった昭和から平成初期の頃には、当然そのような便利なものはなく、情報を入手する手段は限られていたのである。

当時のファミコンキッズの主な情報源といえば、ゲーム雑誌やマンガ誌の告知記事などが中心で、口コミを通じて怪しげな情報が広まったりもしたものだ。

そして、当時もうひとつ貴重な情報源だったのが「ゲーム」を取り扱ったテレビ番組だ。現在も『ゲームセンターCX』(フジテレビONE)や『有吉ぃぃeeeee!そうだ!今からお前んチでゲームしない?』(テレビ東京系)のようなゲーム系バラエティ番組は存在するが、純粋なゲーム情報番組はほとんど姿を消してしまった。

そこで今回は、ファミコンやスーファミ世代にとってなじみ深い、印象に残っているゲーム番組を振り返っていこう。

■元祖テレビゲーム番組『ファミっ子大作戦』

ファミコンで初代『ドラゴンクエスト』(エニックス)が発売されたのと同時期の1986年5月から放送が始まったのが、ゲーム系情報番組の元祖と言われている『ファミっ子大作戦』(テレビ東京系)だ。

新作ソフトの紹介が盛りだくさんで、一般参加者がゲームの得点を競い合う「ハイスコアチャレンジ」のコーナーが名物企画。少年、少女たちに混じって、ときどき大きなお兄さんが参加しているのもお約束だった。

また「マル秘指令」というコーナーでは、与えられたミッションをクリアするという名目で、注目タイトルのゲーム内容をさりげなく伝えてくれるのも見どころだった。

この番組をきっかけに、「バンダイの橋本名人」こと橋本真司さんのことを知った人も多いのではないだろうか。

番組が終了後も『ファミっ子大集合』『Theゲームパワー』『ゲーム王国』と、名前を変えつつ同様の番組は続いており、映像でゲーム情報を仕入れられる貴重なテレビ番組として認知されていた。

■ゲーム系バラエティの先駆け? 『大竹まことのただいま!PCランド』

ファミコンブームのなか、NECホームエレクトロニクスが発売したゲーム機が「PCエンジン」だ。そのPCエンジンの情報に特化したゲーム番組が、1989年に放送開始となった『大竹まことのただいま!PCランド』(テレビ東京系)である。

司会の大竹まことさんは、言うまでもなくシティボーイズで活躍する人気タレント。アシスタントを務めた市川かおりさん、福田英次さんといったタレントたちを、大竹さんがイジりまくる流れが定番で、ゲーム番組というより、もはやお笑いバラエティのノリが強かったのも特徴だ。

また、ゲーム界の事情通として同番組に抜擢されたのが、現在は作家として活躍中の渡辺浩弐さんで、このテレビ出演をきっかけにその名が知れ渡った。番組出始めの頃はゲーム解説役を務めていたものの、次第にクセの強い個性派キャラを大竹さんらにイジられるように。むしろ渡辺浩弐さんのバラエティパートでの活躍を楽しみにしていた視聴者も多かったのではないだろうか。

■任天堂一社提供の原点『スーパーマリオクラブ』

『大竹まことのただいま!PCランド』がPCエンジンに特化した番組ならば、任天堂系のゲームに特化していたのが1990年放送開始の『スーパーマリオクラブ』(テレビ東京系)だ。

同番組の司会を務めたのは俳優の渡辺徹さんとアイドルの本田理沙さん。途中で本田さんから加藤紀子さんへとバトンタッチが行われている。

スーパーファミコン(1990年11月発売)のデビューとほぼ同時期に放送が始まったこともあって、スーファミの最新タイトルの映像が見られる貴重なテレビ番組として注目を集めた。

定番のゲーム紹介コーナーだけでなく、バラエティパートも充実。一般視聴者参加型のゲームコーナー「お姫様にアタック」のコーナーは、ゲームバトルに勝利した男子が、お姫様役の美女に告白する権利が得られるという、少々ブッ飛んだ内容だったのも忘れられない。

それ以外にも、視聴者参加型のゲームクイズコーナーが名物企画で、けっこうマニアックな問題が出題されていた印象。優勝者には好きなスーパーファミコンソフトがプレゼントされるのが正直うらやましかった。

また、ゲストタレントがゲームをする「スターチャレンジ」というコーナーや、クイズコーナーの優勝者とゲストタレントがゲーム対決を行う「スターにアタック!」というコーナーがあったのも特徴。当時としてはテレビ番組でタレントのゲームの腕前が見られる貴重な機会だった。

その後も『スーパーマリオスタジアム』『64マリオスタジアム』『マリオスクール』など名前を変えて、1990年から2000年代まで続き、当時のゲーム番組としてはかなりの長寿シリーズとなった。

このようにファミコン、スーファミ時代に観たゲーム系のテレビ番組を思い返すだけで、当時夢中になったゲームタイトルの記憶がよみがえる人も多いのではないだろうか。

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