<コラム>『新宿野戦病院』考えさせられる、爆笑、心温まる、大手術、伏線回収…どういう感情で見たらいいのかわからなくなる!!!

【写真】『新宿野戦病院』のシーン

<コラム>『新宿野戦病院』第2話

いやもう、どういう感情で見ていいのかわからない!

考えさせられるな…なんて思い巡らせてたら、急な爆笑だし、泣いていい雰囲気?…とか感傷的になってたら、やっぱり爆笑だし、手術始まって緊迫してんな…とか見入ってても、結局爆笑だし、いくらなんでもふざけ過ぎ!!ってツッコんでたら、それがまさかの伏線だったり…で、もう、一体、このドラマは、笑っていいのか、泣いていいのか、考えさせられてるのか、バカバカしいのか、社会派なのか、コメディなのか、うまいのか、ヘタなのか(ヘタでは決してない)、もう、どういう感情で、見ていいのか、全然、わからない!!!

だってだって、もう序盤から、感情の行き来がフルスロットルだったもんね!

(※ここから長々と自分なりの感情の変遷をお伝えします)

序盤、舞(橋本愛)から言われた“平等”について考えさせられる享(仲野太賀)…だったもんで、ああもう享は、あんなにも軽薄な、首に何かしら巻きがちな、ビューティークリニックだったっていうのに(言い方!)、早くも、第2話の序盤で、舞に感化されつつあるんだ…。なーんだ、つまんねーな(おい!)、変わんの早ぇーな、なんつって。うんだけど、そうだよね、あんなふうに、「私にとって社会は平等じゃない!」とか言われたら、そうだよね…。

そら、感化されちゃう…“平等”について、“シャトーブリアン”と“ギャラ飲み女子”との前で、思い巡らせちゃうよね…なーんて、笑わせつつも考えさせられる…社会派ないいシーンだな…とかなんとか、マジメになってったら、西麻布から歌舞伎町までダッシュでかけつける享の下心に失笑(西麻布から歌舞伎町まで、徒歩で約1時間15分とのこと:僕調べ)!

かと思えば、“千吉ビル”で、オーバードーズの少女・マユ(伊東蒼)が発見されて、ああこのドラマ、そういえば医療ドラマだったわ…なんつって、ちょっと我に返るんだけど、続けざま、“鼻にブルーダス”(=ブルートゥースイヤホン)が入っちゃった少年も運び込まれてきちゃったもんだから、鼻からサザンの『栞のテーマ』が流れてきたりやんや、もう、これは、笑っていいのかなんなのか、一体どういうお笑いなの!?っていう、新感覚の爆笑体験をし、だけど、そんなこんな、その愉快な処置シーンこそが、聖まごころ病院のみなさんが懸命に協力し助け合う姿…に映って、それを、マユが目撃することで、何かがほぐれていく…。

そして、ヨウコ(小池栄子)との“ペヤング”談義も相まって、最高にハートウォーミング!!!うん、もうこれは、これこそが、宮藤官九郎脚本×医療ドラマの真骨頂!考えさせられたり、ドキドキしたり、心温まったり、やんややんやするんだけど、最後は爆笑!!そう!これぞ!!宮藤官九郎さんが描く医療ドラマ!!!

とかなんとか、勝手に自分で、壮大に感動してたら、急に「(上から目線で)SMって呼びたきゃ呼べばいいじゃん?」という、舞…いやMay(メイ)さんの顧客から、“その正体”を深掘られる場面で気まずい雰囲気になり、そこへ「幸せは金で90%は解決できるから、それはもう幸せじゃない!?」とかドヤる享に(あの顔最高!)猛烈にイラつき、かと思えば、心がほぐれそうだったマユが、母親に連れていかれる不穏もあったり…という、その辺の緩急がとてつもなく…。(ここまでで、まさかのタイトル入る序盤)

ダイスケ・ダルメシアン三世…そのネーミングセンスに卒倒

で、そんなこんな、あのハートウォーミングアイテム“ペヤング”が、まさか、しのぶさん(塚地武雅)のものだとわかり、誰が食べたのか?問題に発展しちゃって、第2話縦軸の予感!?とかワクワクしてたら、“歌舞伎町人気投票”(顔面)で、7位に選出されたという田島先生(馬場徹)のくだりが、白木さん(高畑淳子)がサウナ着のまんまだったり、はずきさん(平岩紙)のHP作成スキル高すぎだったり、ホストクラブの“売掛金”問題のリアルもほんのり取り入れつつの、ホワイトボード解説って毎回あるんだね(あのピラミッドの表、的確すぎる)…だったり、もうその辺の、小ネタなのかなんなのか、“描きこみ”が満載で。

で、そこに一見、本編には関係なさそうなのに、人気投票第8位のホストクラブ「イケメン牧場」のダイスケ・ダルメシアン三世が紹介され、そのネーミングセンスに卒倒!!

で、直後、田島先生VSダルメシアンの小競り合いが始まったかと思えば、享のビューティークリニック講座まで始まって、そのやりとりだけでも、こちとら笑い死にしちゃうレベルに達してんのに、急に、千吉ビルと聖まごころ病院の“距離”の話になって、“迂回”という意味ありげを提示しつつ、そっから、ヨウコのスマホの充電なくなる(急に)→「イケメン牧場」60分無料だからそこで充電(なんでだよ)→ダルメシアンとの名刺交換(パウダーアロマ加工ですべる素材)→ヨウコ、シャンパンタワー入れる(100万円)という、怒涛(どとう)の展開。

で、なんでそんな急展開になったのかな?なーんて思ってたら、シャンパンタワーをほかの客に入れられちゃったことで、ダルメシアンに入れ込んでいるリリカとの痴話ゲンカが千吉ビル屋上で勃発。

だけど痴話ゲンカとはいっても、ホストにはまってしまった女性の悲哀が生々しいやりとりで展開されて、なんだかやるせない気持ちになって…っというのに、その直後、“すべる名刺”のせいでダルメシアン落下!!!(衝撃すぎる!)

もう、これ、笑っていいとか、悪いとかそういうことじゃなくって、悲劇と喜劇は表裏一体とか、そういうこと!?そういう意味合い、ですよね?!

ってんで、そっから、再び本格的な医療ドラマモードに突入!(もう残り10分もないのに)ダルメシアンは大けがで、足を切断しなければならない!?という大手術に発展。

そこで、ようやく、さっきの“迂回”=バイパス手術で、伏線回収!!って、もうなんて美しいストーリーラインなの!?って感嘆!感激!!してたら、再び、オーバードーズの少女・マユが運び込まれてきちゃって、おいおい、心配だよ…笑っていいんだか悪いんだか、再び、わかんなくなってきたよ…(ってここは笑うとこではない)って、とてつもなく心配になっていたっていうのに、ラストには、聖まごころ病院に、「イケメン牧場」から、シャンパンタワー“100万円”の請求書が、届いて、ヨウコ「(ペヤングの)ふりかけ?(=“売り掛け”)」、オチ成立!!うまい!!!

じゃねーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

大変申し訳ございません。

ついつい、この第2話、あんまりにも楽しかったもんで、序盤からラストまで、物語のあらすじ(?)とともに、僕の感情の変遷を余すところなく、お届けしてしまいました。

だけどだけど、おわかりいただけたでしょう?僕が、このドラマを、どんだけ楽しがっているかはもちろん、どんだけ、“どういう感情で見ていいのか?”、わけがわからなくなっているかということを…。

後半の“バイパス手術”のときに流れる、あの、BGMのセンス

っということで、もうこの時点で相当な文量だし、個人的にもう言うこともないくらい満足してしまったので(おい!)、この第2話、キャラクターの面白さと、宮藤官九郎さん脚本の巧みさ以外にとてつもなく感心してしまったこと、を発表したいと思います!(急に)

それは、緊迫した手術シーンにかかる、BGMですよ!!音楽担当がサックス奏者の本多俊之さん(映画では『ミンボーの女』等の女シリーズ、ドラマでは櫻井翔さん主演の『家族ゲーム』など)ということもあって、通常のドラマサントラとは違った雰囲気を醸し出しているのはもちろんそうなんだけど、後半の“バイパス手術”のときに流れる、あの、BGMのセンスですよ!!!

普通、もっと、スピーディでスタイリッシュな音をつけてもいいはずなのに、普通の医療ドラマなら、もっと大げさな音楽をつけて盛り上げているはずなのに、あの、超終盤の超山場のシーンで、その画的な“盛り上がり”とは一切無縁の、超不穏な音から始まる、あのBGMを流しちゃう、あのセンスですよ!!!

きっと“あの音”を、“あの場面”に、あえて選んだであろう、河毛俊作監督!!(僕的代表作は『きらきらひかる』す!!)一生ついていきます!!みなさんも、その、音と演出の妙を、確かめに、もっ回、FODで、見ましょう!!(どういう回し者!?)

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