J2山形生え抜きMF狩野海晟がプロ初ゴールも天皇杯3回戦は3-6で敗退…「突き詰めてやっていきたい」と決意を燃やす

天皇杯3回戦J2モンテディオ山形vsJ1北海道コンサドーレ札幌戦が10日に山形・天童市内で行われ、山形は3-6で札幌に敗れて3回戦敗退となった。この日山形ユース出身の大卒ルーキーMF狩野(かの)海晟がプロ初ゴールを決めたが、相手の猛攻に押し切られた。

降りしきる雨の中で、山形の大卒ルーキーは格上相手に臆さず躍動した。0-1の前半16分にFW後藤優介のパスを受けた狩野は右足を振り抜いて同点弾を叩き込んだ。得点後は歓喜の輪が生まれたが、3分後に山形は痛恨の失点。

それでも背番号28は気持ちを切らさずに前線からハイプレスを仕掛け、巧妙なオフザボールの動きでマークを外すなど奮闘したが、チームは6失点で大敗した。

プロ公式戦初ゴールも浮かない表情を見せる狩野は「アウェイで決めるよりは、あれだけのサポーターの前で決められて良かったですけど、勝つゴールを決めたかったですね」と大きく肩を落とした。

この日は大雨の中での平日ナイター開催試合だったが、3347人の観衆を集めた。山形ユースで育ち、関東学院大で頭角を現して帰還したルーキーは、観客へ白星を届けられなかったことに悔しさをにじませていた。

ただ落ち込んではいるが、気持ちが切れたわけではない。この敗戦を糧に次へのステップを刻もうとしている。

「まずは自分自身のイージーミスが多いと思うので、そこの部分を減らすこと。もっと前からのプレッシャーや、ボールを刈り取る部分を見せていきながら自分の特長であるボールタッチ、前を向いたり、ゴールやアシストをもっと突き詰めてやっていきたいです」と前を向いた。

同アカデミー出身者で山形在籍中に公式戦で得点を挙げた選手は過去に秋葉勝さん、FW高橋潤哉、DF半田陸(J1ガンバ大阪)に続いて4人目であり、アカデミーから大学を経由した山形加入選手のゴールは高橋に続いて2人目だ。アカデミーの歴史に大きな1ページを加えた狩野は、今後さらに成長して偉大な足跡を刻むことを多くのサポーターから期待されている。

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次節は14日午後7時にホーム・NDソフトスタジアム山形でJ2いわきFCを迎える。狩野は「リーグ戦3連勝に向けて、チーム全体でいい準備をしていきたいと思います」と意気込んだ。苦杯を舐めさせられた期待のルーキーが、敗戦を糧に山形を支えるアタッカーへと成長を遂げる。

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