半導体関連企業への就職、106人増の469人 熊本県内の23年春新卒学生 県内へは345人

熊本県のほか、企業や教育機関など計23機関が意見を交わした半導体人材育成会議=9日、熊本市中央区

 熊本県は9日、県内の大学や工業系の高校などを2023年春に卒業し、半導体関連企業に就職した人数が469人だったと公表した。前年より106人増。台湾積体電路製造(TSMC)などの集積に伴い、半導体業界に就職する新卒者の増加を裏付けた。

 半導体人材の育成を目的に、県が設置した産学官の会議で報告した。

 県内の教育機関から半導体関連企業に就職した469人のうち、県内は345人。地域別では企業が集積する県北が227人、県央105人、県南13人だった。福岡県内に就職したのは48人、鹿児島県30人で、九州外22人だった。熊本県産業支援課は「半導体業界を志望する学生は今後も増えそうだ」とみている。

 会議は熊本市中央区の熊本テルサであった。県のほか、TSMCの子会社JASM(菊陽町)やソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(同)といった企業、熊本大などの教育機関、九州経済産業局など計23機関が参加した。

 九州経済産業局は23年度の調査で、九州の理工系大学や高専、工業高校から半導体関連企業に就職したのは全体の約9%だと説明。九州域外への就職が半数近くを占めるため、地元企業の魅力発信に産学連携で取り組むよう呼びかけた。

 また、「くまもと産業復興エキスポ」を来年も2月20、21日にグランメッセ熊本(益城町)で開くと報告した。次回の会合は、エキスポとの同時開催を予定している。(立石真一)

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