大分県内で新型コロナ感染拡大 2月以来の「注意報」発表【大分県】

新型コロナウイルスの流行状況について説明する県医師会の河野幸治会長(中央)=10日、大分市
県内の新型コロナウイルス感染状況

 県内は7月に入り、新型コロナウイルスの感染が拡大している。10日に県が発表した直近1週間の感染者数は定点医療機関1カ所当たり11.43人で前週の倍以上となった。基準となる10人を超えたとして、県は2月以来の「注意報」を発表した。県医師会は同日、大分市内で会見を開き「流行の初期に入っている。体調管理に気を付けてほしい」と呼びかけた。

 新型コロナの感染症法上の位置付けが5類になった昨年5月8日以降、県は感染者の全数把握をやめた。現在は、県内58カ所の定点医療機関で確認した人数を1週間分まとめて発表している。

 発表によると、直近の7月1~7日は663人。前週の283人から2.34倍となり、5週連続で感染者が増えた。昨年は夏から秋にかけて流行「第9波」が到来。今年も昨年と同じような感染者数の推移となっており、今後の流行が懸念される。

 医師会によると、感染者数の全数把握をしている臼杵市では6月24~30日は95人だったが、7月1~7日は253人に急増した。県内の消化器内科ではクラスター(感染者集団)が起き、7月8日までの10日間で患者や看護師ら計18人が感染したという。

 会見で医師会の河野幸治会長は「これまでも夏に多くなる傾向があったが、急に増え始めた。現状、病院の医療態勢に大きな問題はない」と述べた。対策として、手洗いやうがい、換気などを挙げ「リスクが高い高齢者や基礎疾患がある人は、重症化を防ぐためワクチンを打ってほしい」と強調した。

 県教委によると、県内は10日、中学・高校の計4校が新型コロナで学級閉鎖になった。県健康政策・感染症対策課は「暑くなっているので熱中症に気を付けながら、場面に応じてマスクを着用してもらいたい。体調に異変を感じたら無理せずに学校や仕事を休んでほしい」と話している。

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