森田さ~ん、エビアンのお天気は? 「2日目、3日目に雷雨か」/森田正光のメジャー天気予報

初日は日差しが降り注ぐものの…

女子メジャー第4戦「アムンディ エビアン選手権」が11日(木)に開幕。ことしも避暑地として有名なフランスのエビアンで行われる。TBSのニュースでもおなじみ、気象予報士の森田正光さんに大会期間中の天気を解説してもらった。

「フェーン現象」語源の地

エビアンリゾートGCは北緯45度線より北、日本の稚内より北方にあります。北にジュラ山脈、南にアルプスと山に囲まれていて、周囲にはレマン湖がひろがっています。年間を通して気温が上がり過ぎることはなく、比較的過ごしやすいことから避暑地として楽しまれています。

気候区分は海洋性気候。夏が暑過ぎず、冬は寒くなり過ぎないのが特徴。1月の平均気温も2、3℃と、緯度が高い割には、高原の割には寒くなりにくい。夏場も平均気温が20.7℃で、上がっても26、27℃。その数字だけを見ても過ごしやすいことがうかがえるでしょう。山岳地帯なので山に湿った風がぶつかれば雲が湧いて雨が降ります。ただし年間を通して雨量は少なく、この時期もパラパラと降る程度。昨年7月の天気は、週に2日ほど雨量の少ない雨が降ったようです。

+の場所がエビアン。山に囲まれている

フェーン現象という言葉は皆さんもご存じかと思いますが、語源はこの地方にあります。「フェーン」とはドイツ語で、「山を越える南風」の意。水分を含んだ湿った南風が山を越えるときに、雨を降らせて空気中の水分が減ります。その乾いた風が山頂から低いところに下り、地上の温度が上昇することをフェーン現象と呼びます。乾いた空気のほうが温度の上昇率が高いので、約100m下がるごとに1℃ずつ上がる計算になります。つまりエビアンの場合は、湿った南風がアルプス山脈を越えるときに雨を降らせて、その後地上に乾いた風が吹き、気温が上がるわけです。

では、気候の特徴を踏まえて今大会の天気予報を見ていきましょう。

2日目の荒天が試合にどのような影響を与えるのか

初日は晴れますが、その後低気圧が通過するため、2日目、3日目は雨になりそうです。特に2日目の午後は雷を伴う可能性もあるため、注意が必要です。

最終日には天気は回復してくるでしょう。日中の気温は25℃前後ですが、風雨にあたると体感的には20℃くらいになります。油断して身体を冷やさないようにしたいところです。

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