“弟”擁し「金農旋風」カムバック? 夏の甲子園出場時は「.667」の特異な数字【甲子園「マル得」情報】#1

18年、大旋風を巻き起こした金足農時代の吉田(現オリックス)(C)日刊ゲンダイ

【甲子園「マル得」情報】#1

昨10日の秋田県大会2回戦で、ノーシードの金足農が昨夏の代表校で第1シードの強豪・明桜を3-2で下して3回戦に進出した。

先発したのは、あの吉田輝星(オリックス)の弟・大輝(2年)。エースナンバーを背負い、10回5安打2失点、11奪三振の好投で完投勝利を挙げた。

金足農は2-2で迎えた延長十回、タイブレークで勝ち越しに成功。その裏、大輝は2死二、三塁のピンチを迎えるも、最後の打者を空振り三振に斬って取り、県内最大のライバル相手に初戦を突破した。

その金足農には一つの“野望”があるという。中学3年時ですでに身長177センチに達していた大型右腕の大輝が入学した2023年からの「3カ年計画」で、兄が甲子園を沸かせた18年夏以来の甲子園出場を果たす、というものだ。

大輝は今年2年生。最大の武器であるストレートは、1年夏の140キロから145キロに5キロアップした。昨秋の県大会は23年ぶりに優勝し、今夏はいきなり強豪を撃破。蒔いた種は徐々に実を結ぼうとしている。

輝星の代は9人野球で横浜(神奈川)や近江(滋賀)ら強豪校を次から次へとなぎ倒し、準優勝を果たした。今の金足農は3年生右腕の花田(はなた)など、ベンチを含めた全員野球をモットーに掲げている。

「このまま1年前倒しで甲子園に出ることになれば、その存在は無視できませんよ」とは、アマ球界関係者。

「カナノウの夏は異常に勝率が高いのです。過去6度の出場で初戦敗退が3度ある一方、準優勝した18年は5勝、第一回カナノウ旋風を巻き起こした84年が4勝、95年も3勝している。トータルは12勝6敗、勝率.667。選手は伝統的に勝利時には体を反らして校歌を絶叫するなど、個々の選手は気合十分だし、勢いに乗ると手がつけられない、そんな学校であるのは間違いありません」

3回戦以降の戦いを注視しておいた方がいい。

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