「2000万円を架空貸し付け」 長崎県の大石知事の元監査人、詐欺と主張

 長崎県の大石賢吾知事の後援会の外部監査で監査人を務めた男性が10日、大石氏が2年前の知事選時の選挙コンサルタントと共謀し、自身の後援会費用をだまし取った疑いがあるとして、2人を刑事告発する書類を同日付で長崎地検に提出したと発表した。大石氏が2千万円を架空に貸し付け、返済金名目で約655万円を不当に得たとしている。
 関係者によると、2022年の知事選で大石氏の選挙費用は後援会の銀行口座で一元管理。選挙運動費用収支報告書には同年1月に大石氏が自己資金2千万円を入金した記録がある。一方、後援会の22年政治資金収支報告書は大石氏が2千万円を貸し付けたとしているが、入金された記録はなく、二重計上した虚偽記載の疑いがある。
 発表資料によると、男性はこれについて、22年12月に2人が金銭消費貸借契約書を偽造し、23年3月に作成した同報告書に大石氏からの2千万円借り入れを記載したと主張。利息を含む返済金として同月に460万円、24年3月に約195万円を大石氏の銀行口座に振り込ませ、詐欺か業務上横領に当たるとしている。
 大石氏は先月、「自身の承認なく、後援会から多額の出金がなされ、監査業務を行っていた者に渡った可能性がある」と記者発表した。男性は「監査業務を行っていた者」と同一人物。
 大石氏は県議会閉会後、記者団の取材に「事情を承知していないので何も申し上げることはできない」とした。

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