「確認に時間」 長崎県の大石知事が陳謝 議会は来週中の説明要求…政治資金報告書問題 

政治資金収支報告書を巡る一連の問題について発言する大石知事=県議会議場

 長崎県の大石賢吾知事の後援会が2022年政治資金収支報告書に県議の後援会から286万円を借り受けたと記載している問題で、大石氏は10日の定例県議会最終本会議で「県議会、県民へご心配、ご迷惑をおかけしていることに深くおわび申し上げる」と陳謝した。一連の問題については「精査確認にいましばらくの時間をいただきたい」と述べるにとどまった。
 大石氏は先月24日の県議会一般質問で、自主的な外部監査で指摘を受けたとして、同報告書の286万円の「借り入れ」を「寄付」に訂正する方針を示した。しかし同28日、この監査を巡り不明な点が出てきたとして訂正を保留すると発表。今月8日の県議会各派代表者会議で、問題について最終本会議での発言を申し出ていた。
 一連の問題の説明について大石氏は「弁護士の意見も参考に最大限努力したが、本日まで最終の結論に至らなかった」とした。
 同報告書を巡っては別に、後援会に大石氏が2千万円を貸し付けたとする記載が虚偽の疑いがある。大石氏はこれも踏まえ「混乱を避けるため正確を期すことが重要。引き続き精査確認を進め、できるだけ早く県議会、県民へ報告するよう努めたい」と述べた。
 大石氏の発言を受け徳永達也議長は閉会後、大石氏に対し、来週中に開く各派代表者会議での説明を求めたという。取材に徳永議長は「正直、今日(大石氏から)説明があると思っていた。重い説明責任がある」と苦言を呈した。自民、公明を除く4会派の県議も会合を開き、意見交換。「県政を停滞させてはいけない」として早期の説明などを求める声が上がった。
 県は一連の問題で議会対応が必要になったとして、16日に大石氏らが東京で予定していた国への要望活動を中止すると発表した。

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