V長崎が新潟に大勝! 2年ぶりの4回戦進出 天皇杯サッカー

【3回戦、V長崎―新潟】前半6分、V長崎の澤田(左から2人目)が先制ゴールを決めて喜ぶ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーの第104回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK、長崎新聞社など共催)は10日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎などで3回戦15試合が行われ、V・ファーレン長崎はJ1新潟に6-1で大勝して、2年ぶりに4回戦(16強)に進んだ。
 V長崎は序盤から攻め立てた。前半6分、澤田がゴール前の混戦から右足で蹴り込んで先制。5分後に名倉のスルーパスからフアンマが追加点を決めた。33分に笠柳の左クロスを澤田が頭で合わせて3-0。39分、GK原田に対する危険なプレーで相手MFが退場となり、数的優位に立った。
 後半7分、名倉がドリブル突破から右足で蹴り込んで4-0とすると、31分にフアンマがこの日2点目。後半追加タイムに加藤が1点を加え、2分後に1点を失った。
 J2大分は前回王者のJ1川崎を3-1で撃破。J2愛媛はJ1福岡を2-0で破った。2回戦でJ1町田を破った筑波大はJ1柏に延長1-2で惜敗した。JAPANサッカーカレッジ(新潟)-J2山口の試合は悪天候のため延期された。
 4回戦は8月21日に各地で8試合を実施。組み合わせは今月12日に決まる。

◎澤田今季初ゴール 「次はリーグで」

 「長かった。早く結果がほしかった」
 今季初ゴールを含む2得点。V・ファーレン長崎を大勝に導いたベテラン澤田は、静かに喜びをかみしめた。プロ11年目にして初の1試合複数得点だった。
 前半6分、ゴール前の混戦から目の前にボールがこぼれてきた。「GKは見えていなかった。浮かさないように心がけた」。地をはうような弾道でゴール左を射抜いた。相手の出ばなをくじく先制弾だった。
 見せ場は続く。前半33分。左サイドで笠柳が時間をかけながら敵陣深くえぐった。「ニアの方が何かが起こる」。その直感は的中。正確なクロスを頭で捉えたチーム3点目は、新潟の追撃意欲をへし折った。
 2017年に加入。1年目はリーグ戦40試合に出場して5ゴール6アシストの活躍でJ1昇格に大きく貢献した。献身的で90分衰えない走力、戦術理解度の高さはどの監督になっても重宝された。今季のリーグ戦の先発はわずか2試合にとどまっているが、「先発に値する動きは見せている」。下平監督の評価も決して低いわけではない。
 フィールドプレーヤーでは最長の在籍8年目。長崎への愛着は深い。「長崎のために今度はリーグ戦で決めて、必要とされる選手になる」。33歳、寡黙な背番号19が、J1昇格に向けて調子を上げてきた。

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