水道料金の値上げを検討 長崎・南島原市 施設老朽化や人口減で…2025年度から 

 施設老朽化や人口減少、物価高騰などによる料金収入の落ち込みなどに対応するため、長崎県南島原市は2025年度から値上げも視野に水道料金の改定を検討している。
 老朽化した水道管の更新や施設の耐震補強など水道事業に対する費用の増加は全国の自治体の課題になっている。一方で、節水型のトイレや食器洗い機の普及などで、住民1人当たりの水道使用量は減少。多くの自治体で水道事業は赤字状態になっている。
 市によると、現行の料金のままだと28年度に約580万円の赤字に転落。30年度には水道施設の更新費に充てる補填財源が底をつき、老朽化した水道管の敷設替えなどが難しくなる。
 昨年11月に「市水道料金等審議会」に諮問。計4回の審議を経て、今年6月、同会は松本政博市長に対して水道料金の適正水準に関する答申をした。それによると、基本料金は据え置き従量料金の単価を1トン当たり188円から269円へ81円の増額改定をすべき、としている。
 夫婦と子ども1人の世帯での標準的な使用量(1カ月で20トン)で試算すると、1カ月の水道代は3180円から3990円(口径で異なる)になる。
 市は広報「みなみしまばら」(7月号)で詳しく解説。市水道総務課は「水道事業を将来にわたって安定的に継続していくため、改定を含めた水道料金の適正な水準を検討する必要がある。答申を尊重し、市民生活への影響を考慮した上で料金改定をしていく」としている。

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