横浜FM天野純への批判が仇に…韓国代表監督の洪明甫に蔚山サポが浴びせた言葉とは?

天野純 写真:Getty Images

元日本代表MF江坂任を擁する蔚山HD(旧蔚山現代)は、洪明甫(ホン・ミョンボ)監督の韓国代表指揮官就任で揺れている。蔚山のファン・サポーターは大韓サッカー協会(KFA)や同監督を批判しているが、ここに来て天野純(現横浜F・マリノス)の全北現代移籍と比較する声も挙がっている。

AFCアジアカップ後にユルゲン・クリンスマン監督を更迭してから、約5か月にわたり正式監督が不在だった韓国代表。KFAは今月7日に洪明甫監督の招へいを公式発表しているが、韓国メディア『MKスポーツ』によると、韓国では代表監督やコーチ就任の要請があった場合、韓国国内クラブがこれを拒否することができないという。

このKFAの規定にもかかわらず、蔚山サポーターは洪明甫監督の引き抜きに対する不満を爆発。韓国紙『朝鮮日報』によると、今月10日開催のホームゲームでは、サポーターが指揮官のブーイングを浴びせたほか、ホームゴール裏には「アマノ ホン」「我々が見た監督の中で最悪」などと書かれた横断幕が掲げられている。

天野は2022年1月に横浜FMから蔚山へレンタル移籍。主力選手として蔚山をリーグ優勝に導いたが、同年12月にレンタル移籍期間満了により退団。年明けになってライバルクラブである全北現代へレンタル移籍した。

この天野の移籍劇を受けて、洪明甫監督は当時、韓国メディアのインタビューで「天野はずいぶん前に蔚山に対して、可能ならば契約延長をしたいと申し出た。なのにシーズンが終わって日本に帰ったら、全北現代に移籍した。『お金に興味がない』と言っていたのに、結果として全北現代にカネのために移籍した。嘘をついたんだ」と猛批判。「私が見た選手の中で最悪だ」と突き放していた。それだけに、蔚山サポーターが掲げた横断幕のメッセージには、天野に関する洪明甫監督の発言を揶揄する目的があったとみられる。

なお天野の全北移籍を巡っては、韓国メディア『スポーツソウル』が「蔚山と全北の提示額に差があった」と指摘。これによると、横浜FMに支払うレンタル料は両クラブともに15万ドル(当時約2100万円)を用意。しかし、年俸については全北の提示額が蔚山を10万ドル(当時約1400万円)上回っていたという。

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