小池百合子東京都知事「0秒当確」で3選目圧勝も、囁かれる新たな“アキレス腱”

東京都知事選が7日、投開票され、生放送で伝えたNHKでは、投票締め切りの午後8時の瞬間に《小池氏当選確実》というテロップが流れた。いわゆる「0秒当確」という圧勝劇である。

最終的な結果でも、前回の都知事選よりも大きく票を減らしたものの、小池知事は291万8015票を獲得。次点で今回の選挙戦で若い世代の支持を取り込んで“旋風”を巻き起こした広島・安芸高田市の前市長・石丸伸二氏の165万8363票に大差を付けて圧勝した格好だ。

当初、小池氏の強力な対抗馬になると思われていたのは前参院議員の蓮舫氏だったが、支持政党である立憲民主党&共産党への有権者の反発を受けてしまい、石丸氏を大きく下回る128万3262票の獲得にとどまった。

「投票率は60.62%で、過去最低だった4年前の前回から5.62ポイントもアップ。投票率が上がれば上がるほど無党派層の得票が増え、おそらく、その大半は石丸氏に流れると思われていたが、65%でもまだ足りなかった。70%ぐらいに達すれば石丸氏に勝機があったと見る関係者は多い」(全国紙の都政担当記者)

結果的には圧勝だった小池氏だが、無論、“無風状態”で挑んだ都知事選ではない。4年前に浮上した、本人が公言しているエジプト・カイロ大学の「首席卒業」の学歴詐称疑惑はいまだにグレーゾーンのまま。さらに、これまでの選挙戦ではなかった狼狽ぶりや、有権者の反応もあった。

「象徴的だったのは7月5日の新宿・バスタ前での街頭演説。聴衆から『辞めろコール』が巻き起こり、小池氏が黙り込んでしまうひと幕があった。さらに、エジプト時代の不祥事をあるジャーナリストが演説終わりの小池氏にぶつけると、わざわざ『ごめんなさい!』と言って拳を振り下ろすという暴行疑惑とも取られかねない動画が拡散。公務を理由に他の候補者との討論会を避けていたというが、生討論会をやっていたら彼女の本性が丸出しになっていたかもしれない」(同)

このところの都知事といえば、故石原慎太郎氏が1999年4月から2012年10月までの長期政権を築いたが、続く猪瀬直樹氏は2012年からわずか1年、舛添要一氏は14年2月から16年6月の短期政権で、1任期を満了することすらできなかった。

「石原氏は新党結成を理由に辞任したが、猪瀬氏、舛添氏ともに金絡みの問題で辞任追い込まれた。小池氏も雑誌が大きく報じてきた学歴詐称疑惑は大きなマイナスに違いないが、新聞やテレビではそこまで取り上げられていない。ただ、都知事選に影響はなかったが、早くもアキレス腱となりそうな問題が浮上している」(永田町関係者)

都知事選序盤の6月24日、小池氏、石丸氏、蓮舫氏ら知事選の候補者によるネット討論会が、東京青年会議所(JC)の主催で行われた。

その際、蓮舫氏は小池氏が進める明治神宮外苑などの「再開発のあり方については疑義がある」と述べたうえで、「まさか外苑の再開発の事業者から都知事はパーティー券の購入とか受けてませんよね?」と切り込んだ。

すると、小池氏は「パーティーの開催は法律にのっとった形で公表をしている」などと、絶妙にはぐらかしていたのだ。

「再開発の中心となっている三井不動産との関係をめぐっては、都庁職員の天下りが常態化するなど問題視されていたが、今後は同社からの献金問題を追及されることになりそう。これまでの2期は“攻め”の姿勢で良かったが、3期目は徹底的に“守り”に入るのでは。万が一、小池氏が辞任に追い込まれ都知事選となれば、石丸氏は確定なのだろうが……」(同)

小池氏をめぐる「政治と金」の問題が徹底的にあぶり出される日は来るのだろうか。

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