『SUMMER SONIC 2024』熱中症対策に集まる注目 体調不良者続出した“昨年の課題”の解決に向けて

8月17日、18日に開催される音楽フェスティバル『SUMMER SONIC 2024』が、7月10日に複数の熱中症対策を発表した。

今年は東京・大阪会場ともに給水所を設置。引き続き、特定エリアを除いて日傘の持ち込みも可能だ。さらに東京会場には、新たに幕張メッセ9・10ホールが「フェスティバルエリア」として追加され、これまでエリア毎に設置されていたオフィシャルグッズ、アーティストグッズの販売場所が本エリアに集約される。これにより、暑さや天候に左右されず、空調の効いた屋内でグッズを購入することが可能になった。そのほかリクライニングチェアなども設置され、休憩スペースとしても開放される。

『SUMMER SONIC 2024』が、これほどまでに熱中症対策に気を遣うのは、昨年の開催時に多くの課題を残したことが原因だと考えられる。2023年8月19日の東京会場では、熱中症と見られる観客が続出。救護室には多くの体調不良者が集まり、救急搬送された来場者もいた。

その原因の一つに、メインステージであるZOZOマリンスタジアム内に、スポーツドリンクなど糖分の入った飲料や塩分補給タブレットの持ち込みが禁止だったことが挙げられる。これは“人工芝の品質を守る”という目的で定められているルールだったが、本ルールを知らなかった観客が入場ゲートで飲料等を没収され、結果として熱中症にかかってしまうという現象が発生した。

また、マカロニえんぴつ はっとりなど出演したアーティストからも、夏のフェスティバル開催について言及があり、年々厳しさを増す夏の暑さとフェスのあり方について、SNSを中心に議論が活発化。改めてフェスについて考えるきっかけとなったのが、昨年の『SUMMER SONIC 2023』だった。

このような状況を受けて、スタジアムを所有する千葉市がルールの見直しを行い、これまで禁止されていたグラウンドへのスポーツドリンクなどの飲食物の持ち込みを、一定の条件のもとで認めることを決定。本年の開催では、昨年禁止だった「スポーツドリンク」「塩タブレットや塩飴」などの持ち込みが可能となった。

給水所や過ごしやすい新エリアの設置、ZOZOマリンスタジアムのルール改定による飲食物の持ち込みなど、より快適な夏フェスの実現のために施策を打つ『SUMMER SONIC 2024』。SNS上では「くそ暑い中物販並ばなくていいんだ…!」「暑さ対策でこれは大きな改善」と多くの方が本施策を好意的に受け止めている。一方で「熱中症対策も素晴らしいけど、そろそろ開催時期を夏から春にするとか、開催時期について根本的に考えてほしい…」など、抜本的な改革を望む声も上がっている。

(文=リアルサウンド編集部)

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