攻略サイト「GameWith」運営、年間営業利益が80%減 広告単価の急落が影響、光回線やNFTで“第二の柱”作り急ぐ

GameWith

ゲーム攻略サイト「GameWith」などを展開する株式会社GameWithは10日、自社の2024年5月期の通期決算(’23年6月〜’24年5月)を公表。売上高は前期比▲0.4%の34.97億円となり微減、営業利益はメディア事業の不振などにより6,700万円と▲80.1%の大幅減に着地した。

【画像】【図】「ゲーマー向け光回線」「NFT」GameWithが手掛ける新規事業と動向

GameWith社は攻略サイトと称されるゲーム情報メディア「GameWith」の運営を中核に展開。人気スマートフォンゲームの最新攻略情報を中心に、コンソール機やその他多数のゲーム情報を提供している傍ら、近年は市場規模の拡大が見込まれるeスポーツや注目を集めているNFT領域、eスポーツ向けの光回線事業などについても積極的に投資している。

同日に公表した最新の短信や資料によると、その中核となるメディア事業において「広告単価の急落」「モバイルゲームの新作リリース数減少等」の外部環境の影響を受け、これに起因する成長鈍化と新規領域においてコストが先行し、営利の大幅減につながったという。四半期毎の営業利益推移では第3四半期から赤字となり、直近四半期は4,600万円の赤字。EBITDAも赤字に転じた。

並行して展開している「eスポーツ事業」では、子会社のDetonatioN社が運営するeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe」が多数の提携を行ったり、eスポーツチーム「Crazy Raccoon」との業務提携を開始するなど先行投資が増えたことで短期的な利益が減少。第3四半期にのれんや固定資産等に係る減損損失等を計上していた。

また、同社はメディア事業に加わる新規事業の開拓にも注力しており、そのうちeスポーツプレイヤーやゲーマーに特化した光回線「GameWith光」では、アルテリア・ネットワークス社のインフラ設備を利用する形で展開していることから「設備投資も不要であり、安定した利益確保が可能なビジネスモデルを実現」「中長期的には大きな利益を生み出す」と説明。プロモーション等の獲得コストが先行してかかる状況が続いているが、事業全体では増収傾向にあるという。

このほか、新規事業としてはNFTゲーム領域にも展開しており、ここでは「カジュアルなゲームにNFT要素を加え、ガチャ課金収入でマネタイズをするというビジネスモデルにおける運用ノウハウが確立」したと紹介しており、今後はこのビジネスモデルを活用した新作タイトルの開発を行うとして、2026年のリリースを予定している。

こうした状況下で、翌2025年5月期の業績予想としては、今期の各事業状況を保守的に見込んだ場合を下限値、好調を見込んだ場合を上限値として、売上高は35億円~40億円、営業損益は約▲2億円と通期での赤字になる見込みを示している。

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