今後のマーベル映画はどうなる? 2024~2025年のMCUの未来を予測

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークで行われたイベントにファルコン役のアンソニー・マッキーがスペシャルゲストとして登場Photo by Richard Harbaugh/Disneyland Resort via Getty Images

デッドプール&ウルヴァリン』でついにデッドプールがMCU入りを果たし、ここからマーベル映画の流れはさらに大きく変化していく予感。現在待機中の今後の作品の内容とMCUのこれからを、大胆予想もまじえて予測します。(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photo by Richard Harbaugh/Disneyland Resort via Getty Images

2025年には4本のMCU映画が公開予定

MCUの動きではっきりしているのは、現時点での映画やドラマの収束先が2027年5月7日全米公開予定の『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』ということです。この作品はマルチバースを超えて全ヒーローと全ヴィランが大バトルするという壮大な話になるでしょう。従ってこの大イベントに向け様々なヒーローやヴィランたちがこの先のMCUに登場するはずです。そうした中注目すべき作品(劇場公開作品)をみていきましょう。

まず2025年は4本の映画の公開が予定されています(以下、いずれも原題、全米公開予定日)。

  • 『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2月14日)
  • 『サンダーボルツ』(5月5日)
  • 『ファンタスティック・フォー』(7月25日)
  • 『ブレイド』(11月7日)

今年が『デッドプール&ウルヴァリン』だけですから2025年は疾風怒濤のラインナップですよね。

ハリソン・フォード演じるロス大統領に注目『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークで行われたイベントにファルコン役のアンソニー・マッキーがスペシャルゲストとして登場Photo by Richard Harbaugh/Disneyland Resort via Getty Images

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』はキャプテン・アメリカの4作目となりますが、サム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)が新キャプテン・アメリカになる話です。注目すべきはハリソン・フォード演じるロス大統領。彼は原作コミックどおり、赤いハルク〈レッド・ハルク〉になるようです。

ハリソン・フォード演じるロス大統領が原作コミックどおり“赤いハルク”になるかPhoto by Karwai Tang/WireImage

さらに『インクレディブル・ハルク』に登場したブルースの元恋人ベティやサミュエル・スターンズらも復帰というので、ハルクの要素も強い作品になるかもです。また「ザ・ボーイズ」「マンダロリアン」で人気のジャンカルロ・エスポジートが謎のヴィラン役で出演と言われています。

なおサム自身が次のキャプテン・アメリカになったので、自分が今まで名乗っていたファルコンの座は他の人間に譲り、コミック同様ホアキン・トレスという人物が2代目ファルコンとなりそう。それにしてもアメリカの大統領選の後の、最初のMCUがキャプテン・アメリカの映画というのも面白いですね。

英文原題の「*」は何を意味するのか? 『サンダーボルツ』

ディズニーのファンイベント「D23 Expo 2022」では『サンダーボルツ(原題)』のイメージ画像が公開されたThe Walt Disney Company via Getty Images

『サンダーボルツ』は一癖も二癖もあるMCUキャラがチームを組んで危ないミッションに挑むという作品。新ウィドウのエレーナやバッキーことウィンター・ソルジャーが活躍します。噂では政府が作ったスーパーマンのような超人セントリーが手に負えなくなり暴走。それを制止するためにサンダーボルツが結成されこれに挑む。

面白いのは英文の原題はThunderboltsでこの「(アスタリスク)」が何を意味するのかです。文章では脚注とかをつけるときにこの「*」を使いますから、サンダーボルツという名称になんらかのすごい情報が隠されているのかもしれません。個人的には『アントマン&ワスプ』のゴースト、『ブラック・ウィドウ』のタスクマスターの再登場も決まっており、彼女たちの活躍も楽しみです。

MCUとは別バースの1960年代が舞台か『ファンタスティック・フォー』

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(上写真4点)今度の“ファンタスティック・フォー”を演じるのはペドロ・パスカル(左上)、ヴァネッサ・カービー(右上)、ジョセフ・クイン(左下)、エボン・モス=バクラック(右下)

そして『ファンタスティック・フォー』がついにMCUの世界で。宇宙線を浴びて超人になった4人組がヒーロー・グループとして活躍します。マーベルはこのコミックが大ヒットして注目されるようになりました。

つまりマーベルにとってとても大切なヒーローたちなのですが、この作品についてはMCUが始まる以前に20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)に映画化権を渡していたためMCUに彼らを登場させることが出来ませんでした。しかし20世紀フォックスがマーベル同様、ディズニー傘下になったので、MCUとしてもファンタスティック・フォーを晴れて映画化できるようになりました。

しかしコミックにおいてはファンタスティック・フォーは先輩です。それをMCUのルーキーヒーローとしてデビューさせるわけにはいかない。どうするのか? 伝えられるところではナント物語の設定をいまのMCUとは別バースの1960年代と設定し、まずその舞台・時代での彼らの活躍を描き、いまのMCUに合流させるそうです。

この手法は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に似ています。あの作品も現在のMCUの前の1940年代に、すでにキャプテン・アメリカというヒーローがいて、それがいまの時代に蘇る(いまのMCUに合流する)というパターンでしたから。

本作ではコミックの中での人気エピソード、そして20世紀フォックス版で『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』のタイトルでも映画化された宇宙魔神ギャラクタスとシルバーサーファーVSファンタスティック・フォーを描く内容になりそうです。

大注目の一本は延期が続き不安要素も『ブレイド』

『ブレイド』は新たにマハーシャラ・アリ出演でリブートされる予定Photo by Lars Niki/Getty Images for The Academy Of Motion Picture Arts & Sciences

楽しみかつ不安なのが『ブレイド』。かつてウェズリー・スナイプスで映画化されたヴァンパイア・ハンターの活躍を描くホラーアクションです。マハーシャラ・アリ出演でのリブートが発表されてから大注目の一本。

実はマハーシャラ版ブレイドはMCUに登場しています。『エターナルズ』のポスト・クレジットにおいてキット・ハリントン演じるキャラに声をかけるのはブレイドだったという設定で、なのでこの声の主はマハーシャラ・アリでした。ところが映画自体の方は最初にアナウンスされてからもう5年近くたつんですが、監督降板とかもあり製作が遅れに遅れているのです。

そしてここにきてマハーシャラ・アリが新しい『ジュラシック・ワールド』の映画に出るとの噂もあり、それって彼が『ブレイド』役を降りるからなのでは?と言われ始めました。延期ならいいですがキャンセルは悲しすぎます。

いかがだったでしょうか? 『ブレイド』だけがちょっと心配ですが、2025年から再びMCUが活性化しそうです。恐らく今年のサンディエゴ・コミコンで大発表があるかと思います。期待して待ちましょう。

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