バスタブにペットボトルを入れてお湯をかさ増しする母。本当に節約効果はあるのでしょうか?

ペットボトルでかさ増しした場合、いくら節約になる?

ペットボトルを入れずに浴槽にお湯をためた場合にかかる費用と、ペットボトルを入れてかさ増しした場合にかかる費用について比較します。

かさ増ししない場合

初めに、浴槽にお湯を200リットル入れた場合にかかる費用を計算します。水道料金は、東京水道局の「よくある質問」より1リットルあたりの単価を0.24円とすると、1回あたりの水道代は約48円です。

また、ガス代の計算方法は以下の通りです。

・上昇温度×水量÷(熱効率×発熱量)×基準単位料金(円/立方メートル)

水温を20度から40度、熱効率や発熱量については省エネタイプでない給湯器と仮定します。さらに単位料金は、一般家庭にて30立方メートルを使用している場合として計算します。

上記を計算式に当てはめると、以下の通りです。

・20×200÷(0.8×10750)×130.46=約61円

水道代とガス代を合計すると、約48円+約61円なので約109円となります。

ペットボトルでかさ増しした場合

上記と浴室の設備は同じと考え、2リットルサイズのペットボトル10本に水を入れて、かさ増ししたと仮定します。2リットルサイズに全量水を入れて湯船に入れた場合には、2リットル分のかさ増しになり、その分のお湯を節約できます。

そのため、ペットボトル10本を入れる場合には20リットル分を節約できる計算になります。つまり、湯船に入れるお湯は200リットルから20リットル引いて、180リットルとなります。この場合の水道代は、180×0.24=約43円です。

ガス代は、前述の計算式に当てはめた場合、以下のようになります。

・20×180÷(0.8×10750)×130.46=約55円

以上を合計すると、約43円+約55円で約98円となり、かさ増ししない場合よりも1回あたりの費用が約11円安くなる可能性があります。1回あたりは小さな金額でも、月で見ると約330円、年間で見ると約4015円となります。

なお、かさ増しする場合には、ペットボトルの中の水が冷えていると湯船のお湯の温度を下げてしまうおそれがあるので、入れる水の温度にも注意が必要です。また、何度もペットボトルの水を入れ替えていると、かえって費用がかかってしまうおそれもあるため、繰り返し利用することも検討しましょう。

入浴にかかる費用を節約する方法

ペットボトルで湯船に入れるお湯を減らすほかにも、入浴にかかる費用を節約する方法があります。経済産業省北海道経済産業局の「実践!おうちで省エネ バス・トイレで省エネ」によれば、入浴の節約ポイントは以下の通りです。

__●家族で入浴をする場合、間隔を空けずに次々入浴することで年間約6557円の節約効果
●シャワーの流しっぱなしをやめれば、年間約3471円の節約効果__

加えて、シャワーヘッドを節水できるものに替えたり、入浴後に浴槽にふたをして湯の温度を保ったりすることも推奨されています。

また、入浴後のお湯は洗濯に再利用することも節約につながる可能性があります。ペットボトルを入れてかさ増しすることも1つですが、以上のような方法を組み合わせることで、さらに節約効果を得られる可能性があります。

ペットボトルを用いたかさ増しの節約効果は1回あたり約11円

2リットルサイズのペットボトルを10本使って浴槽のお湯をかさ増しした場合、1回あたり約11円の節約につながる可能性があることが分かりました。月では約330円、年間であれば約4015円です。

しかし、ペットボトルを毎回入れる手間や、湯温を下げてしまうおそれを考えると、ほかの方法を検討することも1つです。ご自身の世帯状況や入浴設備などから、最適な節約方法をとっていきましょう。

出典

東京都水道局 よくある質問 節水について
東京ガス株式会社 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通) 一般契約料金 B表
経済産業省 北海道経済産業局 実践!おうちで省エネ

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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