「あまりにも強権的」吉村洋文知事 万博無料招待に府内校「8割参加」を誇るも「1学年でも1校」カウント方法に“身内”が痛烈批判

万博の無料招待事業に8割の学校が参加表明し、吉村洋文知事は意気揚々だが……

「2025年大阪・関西万博」に府内の小・中・高校生などを学校単位で無料招待する事業について、大阪府教育庁は約1900ある学校に対して参加するかどうかの意向調査を実施。7月10日、全体の約8割の1526校が参加を希望し、40校が不参加を表明していることを発表した。

「5月末時点では約1740校から回答があり、全体の約7割にあたる約1390校が『参加を希望する』と回答しましたが、当初の設問に『参加しない』がなかったことから自治体首長から疑問の声が上がりました。そこで府教育庁は再度聞き取りをおこなったところ、7月2日時点で『参加希望』が1526校まで増加。『未定・検討中』は275校、『不参加』は40校でした。大阪市に限れば、9割以上が参加希望です。結果を受けて吉村洋文知事は、『万博が子どもたちにとって教育的な意義があると判断する校長先生が増えたということだと思う』と胸を張りました」(社会部記者)

5月末、交野市の山本景市長はXで、《(意向調査に)不参加の選択肢はございません。「未定・検討中」を選択すると「個別事務局よりご連絡いたします。」らしいです。これでは、実質、強制参加です》と、吉村知事の投稿をリポストする形で異議を唱えていた。そして再度おこなわれた聞き取りで、交野市全体の92%に当たる12校が「未定・検討中」または「不参加」と回答した。それを受け、山本市長はXで《交野市では、1校が6年生だけ行くかどうか検討中ですが、それでも、1校とカウントする大阪府のやり方はあまりにも強権的です。※学校単位ではなく学年単位》と疑問を投げかけた。

山本市長の主張通りだとすると、調査結果は「水増し」と言われても仕方がない。そこで大阪府の教育庁に聞いた。

「1学年でも参加ということであれば学校単位での参加にしています。というのも、『我が校は低学年の参加は難しいけど、高学年は参加します』など、学校によって事情がさまざまだからです」

水増しの意図ではないようである。また、当日に病気などで参加できなかった生徒には、後日使用できる無料チケットを渡すという。

しかし、学校の教職員組合が中止を求め、また豊中市立小中学校に通う児童生徒の保護者が「万博校外学習を心配する親子の会」を結成して反対の署名活動を始めるなど、無料招待の事業には厳しい目も向けられている。

メタンガスの噴出問題や、大混雑が予想される会場までの移動手段、休憩場所の確保、各校の希望日の調整など課題山積のなか、開催まで残り9カ月になった。来場者の安心安全が何よりも望まれる。

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