ツェルマット行き鉄道、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休 大洪水で

スイス南部を中心に発生した大規模な洪水の影響を受け、ツェルマット~ディセンティス間を結ぶマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)は、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休するとの見通しを明らかにした。

フィスパ川の洪水で一部区間が甚大な被害を受けたフィスプ~テッシュ間の路線を少なくとも8月中旬まで運休し、代替バスが運行する。ツェルマット観光局のサイト(7月9日時点)によると、ツェルマットへの入村は可能。テッシュからツェルマットまでは定期シャトル列車が運行している。

マッターホルン・ゴッタルド鉄道のインフラ整備責任者、エゴン・グスポナー氏は10日の記者会見で、「カルペトラン地域と聖ニコラウス村の間の状況は特に深刻だ」と話した。被害が甚大で現場へのアクセスが難しいことから資材や建設機械の輸送が妨げられ、線路の修復作業が複雑化しているという。

修復作業にかかる費用は明らかになっていない。マッターホルン・ゴッタルド鉄道のフェルナンド・レーナー最高経営責任者(CEO)は「修理費だけでも1000万フラン(約18億円)を超えるだろう」と語った。また、代替バスの費用として100万フラン以上が必要になるとも述べた。

英語からの翻訳:大野瑠衣子

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