広島県海田町の男性暴行死 強盗致死罪の女に懲役11年判決 広島地裁

広島地裁

 広島県海田町の事務所で2022年、自営業男性=当時(71)=が金銭目的で暴行され死亡したとされる事件で、強盗致死と死体遺棄の罪に問われた住所不定、無職の女(45)=監禁罪で有罪確定=の裁判員裁判の判決が11日、広島地裁であった。角谷比呂美裁判長は懲役11年(求刑懲役14年)を言い渡した。

 角谷裁判長は、女らが男性を追及する様子を収めた音声データなどを基に、女は住所不定、古物商の男(33)=強盗致死罪などで起訴=の暴行を認識した上で投資金回収のため男性を脅し、金庫を探したなどと指摘。男性は古物商の男の暴行で死亡したとし、「暴行と男性の死亡との因果関係は不明」とする弁護側の無罪主張を退けた。

 その上で「被害者の状態を気にかけることもなく物色を続けるなど犯行への関与が小さいとまではいえない。回収への執着は相当に強く、罪に向き合おうとする姿勢もみられない」と述べた。

 判決などによると、女と古物商の男は共謀し22年6月、事務所で男性を暴行して死亡させた上、他の5人と共謀して男性から現金約11万円を奪取。女は古物商の男ら3人と共謀し、男性の遺体を車で埼玉県内か周辺へ運び、遺棄した。男性の遺体は現在も発見されていない。

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