中国の研究チーム、「吸血鬼イカ」に近縁の新種発見

中国の研究チーム、「吸血鬼イカ」に近縁の新種発見

中国の研究チームが海南島南東の水深800~千メートルの海域で採取した「擬コウモリダコ」の標本。(広州=新華社配信)

 【新華社広州7月11日】中国科学院南海海洋研究所などの研究チームはこのほど、南中国海で2016年に発見したコウモリダコに似た種を新種と特定して「擬コウモリダコ」と命名し、学術誌「Acta Zootaxonomica Sinica(動物分類学報)」に研究成果を発表した。

 擬コウモリダコは16年9月、海南島南東の水深800~千メートルの海域で見つかった。研究チームがコウモリダコと形態的に比較したところ、尾部の形態、下顎板の形状、発光器の位置などがコウモリダコとは明らかに異なっていた。遺伝子分析の結果、コウモリダコとは進化系統樹上で比較的離れた枝にあることが分かり、新種と特定。コウモリダコ目で現存することが確認された二つ目の種となった。

 コウモリダコは「吸血鬼イカ」とも呼ばれ、分類学上、コウモリダコ目コウモリダコ科コウモリダコ属に属する。これまではコウモリダコ目で唯一現存する種とされてきた。

 米自然史博物館とエール大学の研究者は22年3月8日、国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した研究論文で、3億2800万年前に生息していた10本足のタコの化石を分析し、タコとコウモリダコの最も古い祖先であると結論付けた。コウモリダコ目の動物は当初10本足だったが、進化の過程で8本足になったというこれまでの推測を裏付けた。(記者/馬暁澄)

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