業績&株価チャート(2023年1月4日~2024年7月8日)
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支援金があったとはいえ、コロナ禍で休業によりファミレス業界は大きな痛手を被りました。
ずいぶんと前からファミレス業界は人手不足などに悩んでいましたが、コロナ禍が明け、業績回復後も人手不足の状況に変化はありません。
本記事では、国内最大手ファミレスグループのすかいらーくHD<3197>とイタリアンファミリーレストランのサイゼリヤ<7581>について、業績や株価の推移を確認していきます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
すかいらーくHD<3197>の業績推移
『ガスト』をはじめとするファミリーレストラン(ファミレス)を全国展開する、ファミレス業界最大手のすかいらーくHDの業績推移は次のとおりです(IFRSを採用)。
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2022年12月期
- 売上収益3037億円(前期比14.8%増)
- 営業利益▲55億円
- 親会社の所有者に帰属する当期利益差▲63億円
2023年12月期
- 売上収益3548億円(前期比16.8%増)
- 営業利益116億円
- 親会社の所有者に帰属する当期利益47億円
2024年12月期(予想)
- 売上収益3,750億円(前期比5.7%増)
- 営業利益150億円(同28.3%増)
- 親会社の所有者に帰属する当期利益75億円(前期比56.9%増)
すかいらーくHDは2023年12月期より黒字に復帰。2024年12月期は増収増益を予定しています。
ただし、コロナ禍前の2020年12月期の最終利益は▲172億円。翌2021年12月期は最終利益87億円まで回復したものの、コロナ禍前から不安定な経営状態でした。
その中で2023年12月期から2期連続の黒字予想は、接客ロボの導入などの黒字定着に向けた成果が出ているといえるでしょう。
サイゼリヤ<7581>の業績推移
イタリアンファミリーレストランの『サイゼリヤ』を国内外に展開する、サイゼリヤの業績は次のとおりです(日本基準を採用)。
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022年8月期
- 売上高1442億円(前期比14.0%増)
- 営業利益4.2億円
- 親会社株主に帰属する当期純利益56億円(同220.6%増)
2023年8月期
- 売上高1832億円(前期比27.0%増)
- 営業利益72億円(同1607.6%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益51億円(同8.9%減)
2024年8月期(予想)
- 売上高2110億円(前期比15.1%増)
- 営業利益131億円(同81.4%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益82億円(同59.1%増)
サイゼリヤは2022年8月期の段階で若干ながら黒字化。その後も黒字を維持しており、今期は営業利益の100億円突破を見込んでいます。
会計基準について、すかいらーくHDがIFRS基準に対しサイゼリヤは日本基準のため、両社の厳密な数字の比較はできませんが、単純計算ですかいらーくHDはサイゼリヤの約2倍の売上規模です。
しかし最終利益は、サイゼリヤとすかいらーくHDが同等水準です。サイゼリヤの収益力の高さが光っています。
サイゼリヤは国内店舗の赤字を海外店舗の黒字でカバー
サイゼリヤは既に海外事業で稼ぐ状態となっています。同社の2023年8月期のセグメント別の売上高・利益は以下のとおり。
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日本の売上高・利益
- 売上高1204億円
- セグメント利益▲14億円
アジアの売上高・利益
- 売上高627億円
- セグメント利益84億円
(豪州のセグメント売上が74億円あるものの、内部振り替えのため割愛)
サイゼリヤの全店舗数は1540店ですが、国内店舗1055店に対し、海外店舗は中国中心に485店あり、店舗の3割は海外店舗です。同社の利益は海外店に支えられているといっても過言ではありません。
一方、すかいらーくHDは2023年12月期の全2976店のうち、海外店は台湾の69店が最大です。よって店舗のほとんどが国内です。
サイゼリヤは国内が赤字ながら海外で大きく稼ぎ合計で黒字の一方、すかいらーくHDは国内中心に黒字ながら利益率はサイゼリヤを下回るという状態です。両社ともに経営上の課題を抱えながらも、コロナ禍が明けて黒字化しています。
2024年の両社の株価は横ばいで推移
最後に両社の株価を見てみましょう。
すかいらーくHDの株価推移(2023年1月4日~2024年7月8日)
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すかいらーくHDの株価は2023年から上昇を開始したものの、2024年は概ね2100~2400円台の間で横ばいです。ただし6月初旬時点では、横ばいの中の底値付近に位置しています。
サイゼリヤの株価推移(2023年1月4日~2024年7月8日)
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サイゼリヤもすかいらーくHDと同様に2023年から10月の天井6320円まで上昇が続きました。その後は2024年も概ね5000円台での取引が続いています。
しかし、4月以降は5000円台後半で取引されており、徐々に天井の6320円に近付いています。
両社ともに2024年は横ばいの推移ながら、チャート的に高値更新の可能性が高いのはサイゼリヤといえるでしょう。
利益率は低いながらも国内中心店舗で黒字を維持するすかいらーくHDと、国内事業は赤字ながら海外事業の高い利益率を背景に全体としても黒字を維持するサイゼリヤ。
課題を抱える中で、ファミレス両社の今後業績及び株価がどのような推移を見せるのか注目されます。
参考資料
- 株式会社すかいらーくホールディングス「2023年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
- 株式会社サイゼリヤ「2023年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社サイゼリヤ「決算説明資料 2023年8月期(第51期 2022年9月1日~2023年8月31日)」
- 株式会社すかいらーくホールディングス「2023年度 通期決算説明資料」