NPO法人くびきのお宝のこす会(西山義則会長)が所有する軌道自転車(レールバイク)の修復がこのほど完了し、頸城区百間町のくびき野レールパークへ届けられた。本紙が縁となり、板倉区針の野口富雄さん(65)が修復作業を担当。今後、同所のイベント時や見学希望者による乗車体験も行う予定だ。
軌道自転車は、線路上を自転車と同じようにペダルをこいで走る車両で、鉄道の巡回、点検などに使用されている。今回の車両は、同会が1カ月半ほど前、県内の収集家から譲り受けたもの。かつてJRで使用されていたが、レールパーク内の線路を走らせるには補修、修理が必要だった。
修理できる人を探す中で、上越タイムス紙上で野口さんを知った同会。アイエムタクシー(上越市大和6)で整備管理者を務め、持ち前の技術でゴーカートなどを自作している腕を見込んで、修理を依頼した。
車両は経年劣化でフレームがゆがみ、JR在来線のレールより小さい軽便鉄道用レールを走らせるため、真ん中から切断してサイズを調整し、再度溶接。古くなったサドルを交換し、チェーンなども整備。さらに車両の前部と後部に立ち乗りできる板を新設し、塗装し直すなど、5日間かけて修理した。
12日のお披露目では、会員が早速、試乗。騒音を立てず滑らかにレール上を移動する様に、歓声が上がった。西山会長(68)は野口さんに感謝するとともに、「新しい魅力を加え、より多くの方にこの地の鉄道について知ってほしい」と願った。野口さんも「皆さんからの思いをくむことができ、喜んでもらえたなら幸い」と話した。
軌道自転車は7月18日の同公園イベント(コロナ禍で中止の可能性あり)の他、見学希望者は乗車できる。申し込みは見学予定日の1週間前までに同会の西山さん(電090・1424・2069)へ。