新型コロナウイルスの感染収束が見通せない状況を受け、神奈川県横須賀市は10日、10月に開催を予定していた浦賀奉行所開設300周年記念イベントを昨年に続いて中止すると発表した。
浦賀奉行所は江戸時代中期の1720年に、船の検査や異国船警備などのために設けられた。当初は開設300年に当たる2020年に記念イベントを予定していたが、コロナ禍で延期していた。
今年は感染対策を施した上で、10月23、24日に浦賀レンガドック周辺で記念式典やプロジェクションマッピング、日本丸の里帰り展示、記念ライブ、ドック見学会などを企画。事前予約制で2日間で計1万3千人の来場を見込んでいた。
だが緊急事態宣言が延長され、教育活動や公共施設の利用も制限されている現状を踏まえ、市文化スポーツ観光部は「浦賀奉行所の歴史を引き継ぐため、次世代や地域住民が参加するイベントを目指していたが困難な状況となり、総合的に判断した」と説明している。
来年度への延期に関しては未定で、企画していたイベントのうち映像配信などは今後も検討する方針。