目立つ靴、新しい形の靴を履いている人を見かけては追いかける人が、朝鮮の西海岸、江原道・元山市に出没しているという。立ち止まってもらい靴の図案を描いては立ち去るそうだ。
労働新聞10月26日付に掲載された、このストーカーまがいの人とは元山製靴工場の従業員たちだ。新製品の開発に必死に取り組んでいる同工場の努力は元山市内ではよく知られているとか。
元山製靴工場は「メボンサン」という商標で有名だ。
その品質は国内で定評があり、また、その取り組みの一つとして「意見ノート」も知られている。
同工場の製品を扱う各売店に設置しており、従業員たちは昼食時間や退勤時間後にノートをめくりながら、利用者のさまざまな声を製品開発に取り入れ品質の向上、品種の拡大に努めている。
同工場の製品は、「人民の厳正な評価の中で絶え間なく改善されている」(労働新聞)という。
だいぶ前の話になるが、中国産の靴製品は見栄えは良くても、もろくてすぐに使い物にならなくなってしまい平壌市民の間では不評だった。
このような背景もあってか、国内の企業は一時、頑丈を売りにした商品を出していた。
しかし今は履き心地やファッション性、利便性、値段など要求性が高まり、各工場はしのぎを削って利用者の声に応えようとしている。
一昨年に朝鮮で購入したスポーツシューズは何ら遜色なくしかも安価。今も愛用している。
朝鮮の軽工業部門に現在求められているのは品質向上、品種拡大、原価低下。奮闘は続く。