焼肉は好きですか?
焼肉チェーンじゃ物足りない!
他では食べられない、美味い焼肉が食べたい!
「愛道園(あいどうえん)」は、そんな「焼肉好き」に一度は足を運んでほしいお店です。
倉敷駅前にある創業60年以上の老舗焼肉店で、地域に長年親しまれている人気店。
2017年には、店舗をリニューアルして生まれ変わりました。
愛道園は老舗でありながら、定番メニューだけでなく、オリジナルの新しい焼肉の食べ方を提案しています。
例えば、以下。
- 他では見たことがない!ネギ塩タンの最終形「愛道園 オリジナル ネギ塩タン」
- ササミとは思えないジューシーさを味わえる「愛道園 オリジナル ササミロール」
- 焼肉なのにすき焼きの味!?「外モモ肉の焼スキ」
記事中でも紹介していますので、ぜひチェックしてください。
そんな新たな試みを続ける老舗の焼肉店・愛道園のこだわりや歴史も紹介します。
愛道園とは?倉敷駅前で昭和30年に創業した老舗の焼肉店
愛道園があるのは、倉敷駅のすぐ南側。
商店街の「倉敷センター街(ビオスくらしき)」のすぐそばです。
愛道園は、1955年(昭和30年)に開店した老舗の焼肉店。
60年以上、長く地域に親しまれてきた店で、親・子・孫で通うお客さんもいるほどです。
長らく昔ながらの雰囲気の「昭和の焼肉店」でしたが、2017年にリニューアルを実施。
▼店内は、肉バルをイメージするおしゃれなお店に生まれ変わりました。
そのため愛道園には、若い女性グループから会社帰りのサラリーマン、家族連れ、昔からの常連さんまで、幅広いお客さんが訪れています。
▼お店には、愛道園オリジナルステッカーも置いてあります。
愛道園への来店記念にお持ち帰りください。
愛道園のおすすめは鳥取のブランド牛「万葉牛」
愛道園が提供する肉は「万葉牛(まんようぎゅう)」というブランド牛がメイン。
万葉牛は、鳥取県のブランド牛です。
愛道園は万葉牛生産者・谷口拓也(たにぐち たくや)さんの肉を扱っています。
谷口さんの万葉牛は、愛道園の代表・金光 真吾(かねみつ しんご)さんが惚れ込んだ肉です。
2022年(令和4年)現在、岡山県内では万葉牛をあつかう店は「愛道園」をふくめて3店しかありません。
▼愛道園は、万葉牛の認定店で、全国15店めです。
愛道園では、万葉牛を中心にしつつ、山形や鹿児島など、各地の良質な肉も仕入れています。
愛道園のおすすめメニュー・人気メニュー
愛道園のおすすめのメニューやお客さんに人気のメニューを、スタッフのみなさまに紹介してもらいました。
「愛道園 オリジナルネギ塩タン」はネギ塩タンの新しい食べ方を楽しめる
ネギ塩タンは、焼肉の定番のひとつ。
私も大好きです。
しかし、愛道園ではオリジナルの食べ方をします。
これがおもしろいんです。
ふつう、ネギ塩タンはタンの上にネギが載っています。
▼しかし、愛道園ではネギが別の器に盛られているのです。
しかも、ネギが大きい。
▼タンは大きく、おいしそうです。
まるでアヒージョのような感じで、やがてネギがグツグツとしてきます。
▼いい感じに焼けてきました。
これは、実に新しい感覚です。
確かに、この食べ方だとネギの風味とタンの味をどちらも楽しめます。
「極上厚切りザブトン」は万葉牛の肩ロースを堪能できる
▼細長い直方体の形がインパクトあります。
きれいな赤と白の模様が芸術品のよう。
なお、ザブトンには、細かく切れ目が入って分かれていました。
ザブトンを食べると、万葉牛の上質な肉のうまみと甘みが口の中に広がっていきます。
まるでとろけるような味わいでした。
食べてみると、ピーマンとは思えない、やさしい甘味におどろきです。
「愛道園 オリジナル ササミロール」は焼き方がおもしろく、味はジューシー
▼ササミロールも見た目のインパクトが抜群。
まさに芸術作品。
レストラン出身の金光さんらしいメニューではないでしょうか。
▼巻物状に巻かれた肉が、月見団子のように積まれています。
▼飾り付けも見事で、食べるのがもったいなく思えてきました。
ササミロールを食べると、香ばしさが口内に拡散。
そして、とろけるようなジューシーさです。
「こんなおいしいお肉の食べ方があったのか!」と驚きました。
ササミロールは、見た目も味も美しいと思いました。
そして、この焼き方を提唱する愛道園のアイディアもすばらしいです。
「外モモ肉の焼スキ」は万葉牛のモモ肉をまろやかな卵とともに食べる
なお、黒板メニューは仕入状況で変わりますので、食べられない日もあります。
外モモ肉は、重箱に入っていて高級感があります。
▼外モモ肉の上には、すき焼き風のタレをかけてもらえます。
万葉牛のモモ肉の甘み・うまみとタレの甘み、生卵のまろやかさが絡み合って、舌が溶けそうなほどの幸福感です!
▼なお、生卵が入っている器は備前焼。
「外モモの自家製牛肉の生ハムシーザーサラダ」は店で手間暇かけてつくった生ハムの深い味わいが魅力
▼上に散りばめられた花びらはマリーゴールドで、食べられます。
▼生ハムを食べると、ほんのりとフェンネルのよい香りがします。
ほどよい塩味とともに、噛みしめると肉のうまみが染み出てきました。
愛道園のメニュー
愛道園のメニューは、焼肉の定番メニューから、愛道園オリジナルの焼肉メニューまでバラエティーに富んだ品揃え。
通好みの希少部位「よめなかせ」があることにも注目です
▼愛道園では、野菜メニューにも力を入れています。
肉だけでなく、こだわりの新鮮な野菜を使った料理も食べてみてください。
また「黒板メニュー」にも注目です。
黒板メニューは、入荷しだいで日々内容が変わります。
もしかしたら、次に来たときには食べられないメニューもあるかもしれないので、必ずチェックしましょう。
愛道園は、ドリンク類も豊富です。
ビールやハイボールはもちろん、焼酎や地酒も取りそろえています。
▼愛道園オリジナルラベルのワインにも注目。
オリジナルラベルのワインは、月替わりで一種類ずつ登場します。
テイクアウトにも対応
愛道園では、お弁当とお肉のテイクアウトに対応しています
メニューは以下の通り。お肉は単品での注文も可能です。
注文は店内でも可能ですが、指定した時間での受取を希望する場合、電話で事前注文することをおすすめします。
愛道園の店内のようす
愛道園の店内は、おしゃれな雰囲気で、肉バルをイメージしています。
▼壁には40代には懐かしい、ブームにもなった人気漫画のキャラクターを模した黒板も。
愛道園は、全部で90席あります。
また、予備のイスが4脚用意できるとのこと。
老舗でありながら、新しい食べ方も積極的に提案している愛道園。
そんな愛道園の代表・金光 真吾さんにお話を聞いてみました。
愛道園 代表の金光 真吾さんへインタビュー
老舗でありながら、新しい食べ方も積極的に提案してる愛道園。
そんな愛道園の代表・金光 真吾(かねみつ しんご)さんにインタビューをおこないました。
インタビューは2019年9月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
愛道園は昭和30年代に創業し、現在は三代目
──愛道園は老舗ですが、創業はいつになりますか?
金光──
愛道園は、1955年(昭和30年)の創業です。
お店を始めたのは、母方の祖父母。
1985年(昭和60年)には、串揚げの店も併設しました。
その後、私の両親が跡を継ぎ、私で三代目です。
2017年(平成29年)に店をリニューアルしたのですが、そのときに串揚げは終了し、焼肉のみになっています。
最初は焼肉店を継ぐつもりはなく、イタリアンやフレンチの道へ進んだ
──お店を継ごうと思ったのは、なにかきっかけがあったんでしょうか?
金光──
もともと私は、京都の出身なんです。
両親が愛道園を継ぐことになって、私も両親とともに倉敷に来ました。
でも、私は焼肉店を継ぐつもりはなかったんですよ。
料理には興味があったので、料理の道に進もうとは思ったのですが、焼肉は嫌でしたね(笑)。
そして、イタリアンかフレンチの道に進むことに決めて、学校を卒業してから岡山のレストランで働き始めました。
しかし、祖母が高齢で働けなくなり、私が店に入って手伝うようになったんです。
2007年(平成19年)ごろのことでしたね。
ちょうどそのころ、まわりの同世代の友人が独立してお店を持ったり、すでにお店を持ってがんばっている人に出会ったりしました。
その影響を受けて、私もお店をがんばってみようという気持ちが芽生えたんですよ。
そうしたら、だんだんとおもしろくなってきて。いまでは三代目です。
焼肉店はお客同士の交流が生まれるのが醍醐味。リニューアルしてもそれは変わらず
──焼肉店の仕事をはじめてみて、焼肉の魅力は何だと感じましたか?
金光──
焼肉の魅力は「お客さん同士のコミュニケーションや交流が自然と生まれる空間」だと思います。
以前の愛道園の店舗は、煙がモクモクとたちこめるような「昭和の焼肉店」を絵に描いたような店でした。
店内も、隣の人と肩と肩がぶつかるようなゴチャゴチャとした空間。
でも、だからこそお客さんが仲良くなれるんです。
肉を焼きながら会話が弾む、そんな楽しい場所だと思います。
しかし、時代の流れで昔ながらのお客さんだけでなく、新しいお客さんも取り込んでいかないといけません。
そこで、最初に2013年(平成25年)に2階を改装、2017年(平成29年)に1階を改装して、現在のようにリニューアルしました。
若い人や女性が来やすい、おしゃれな店に変わっています。
でも、リニューアルしても「お客さん同士のコミュニケーションや交流が自然と生まれる空間」というコンセプトは変わっていません。
バル・バーなども、お客さん同士のコミュニケーションが生まれるところです。
なので、バルやバーのようにお客さん同士のコミュニケーションが生まれる焼肉店という意味で「肉バル」をコンセプトにしました。
万葉牛は生産者の顔が見えるのが魅力
──愛道園では「万葉牛」を推していますが、万葉牛の魅力や、万葉牛を知ったきっかけなどを教えてください。
金光──
万葉牛は、リニューアル後に来た万葉牛の営業マンのかたの熱い思いが伝わってきて、使ってみようかなと思いました。
そのかたは「はなふさ」という鳥取県の肉の卸業者で、出会ったときの第一印象からその熱さが伝わってきました。
彼と出会っていなかったら、私は万葉牛と出会っていないといっても過言ではありません。
実は牛肉って、野菜や果物と違って生産者の顔がわかりにくいんですよ。
でも、万葉牛は生産者と強くつながっていて、生産者の顔がわかるんです。
そこに万葉牛への安心や信頼を感じています。
お客さんも、そのほうが安心ではないでしょうか。
万葉牛は、とくにモモ系の肉がすばらしい。
サシがきれいにスーッと入っていて、食べると口溶けがよく、うまみが口に残る深い味わいなんです。
脂が脂っこくなく、脂がうまみになっていておいしいんですよ。
現在(2019年)、岡山県で万葉牛の認定店になっているのは、愛道園をふくめて2店だけです。
ちなみに、当店では谷口 拓也さんの万葉牛をおもに扱っています。
実際に私自身が、鳥取にある谷口さんの畜産場に行って見学したり、生産者の谷口さんと話をしたりしました。
そのときに谷口さんから聞いた飼育理念・熱い情熱に惚れ込んだんですよ。
お客さんが楽しめる新しいメニューや食べ方を提案していきたい
──お店を運営する上での工夫やこだわりはありますか?
金光──
お客さんが楽しめるようなメニューや食べ方を考えています。
今は「肉と野菜」をテーマにしているんです。
たとえば、万葉牛のシンシンという部位と、鳥取産の肉厚シイタケを合わせてみたり、肉に焼きナスを挟んで食べてみたりというような食べ方を考えました。
あと、気をつけていることは、お客さんにしっかりと説明をすること。
焼肉は、最後にお客さん自身に仕上げてもらって完成するものです。
だから、愛道園オリジナルの食べ方の焼肉やメニューは、その焼き方・食べ方をていねいにお客さんに説明しています。
ほかのスタッフも説明できるように、教育に力を入れていますよ。
私は、焼肉店の前はレストランの経験がありますので、その経験を生かして、焼肉のジャンルをはみ出さない範囲で、新しい食べ方にドンドン挑戦して提案していきたいですね。
地域のお店同士の交流が生まれれば地域活性化に役立てる
──愛道園は老舗ですが、倉敷の地域との関わりなどはありますか?
金光──
「ハレノミーノくらしき」に参加していますが、地域活性化に一役買いたいと思って参加しました。
ハレノミーノくらしきがいいなと思ったのは、お客さんがいままで行ったことがなかった店、気になっていたけど行きづらかった店に行くきっかけになることですね。
また、地域でのお店同士の交流が深まるのもいいと思いました。
お客さんに「このあとどこか行きたいけど、おすすめの店はある?」と聞かれることがあるんです。
そんなときに、お店の同士の繋がりがあれば、ちゃんと理由を説明して紹介できますよね。
──「平成30年7月豪雨」の影響は?
金光────
お店は大丈夫でした。
郊外にある自宅は、一時用水路が増水して危険でしたが、事なきを得ています。
平成30年豪雨では、近くの小学校が避難所になっていて、そこに炊き出しに行ったりしました。
豪雨では真備町が被災しましたが、真備出身の友達といっしょに「義援金カレー」の販売を、愛道園の近隣店舗に呼びかけました。
集まったお金は、真備の花火大会の資金として使ってもらいました。
今後は若手の育成や、新業態のお肉の店も視野に
──さいごに、今後の展望ややってみたいことなどをお聞かせください。
金光────
まず、若手を育てていきたいですね。
あと、こことは別に創作の肉料理の店をやってみたいという気持ちもあります。
小さなカウンターだけのような店です。
そのためにも、若いスタッフをここの運営を任せられる人物に育て上げたいですね。
最初は嫌だった焼肉店ですが、今はどんどん焼肉料理をやってみたくなっています。
おわりに
倉敷きっての老舗焼肉店でありながら、積極的に新しい食べ方を模索する愛道園。
昔ながらの「お客さん同士の交流が生まれる空間」というコンセプトを維持しながら、新しいおしゃれな内装にリニューアル。
古くからの伝統と新しい感覚が共存する、魅力的なお店だと思いました。
また、愛道園が惹かれたという「万葉牛」も、生産者の顔がよくわかる安心と信頼のあるお肉です。
そして、万葉牛を食べると、口の中でとろけるような味わいで、やさしく包み込まれるような肉の甘みとうまみがあふれ出します。
ぜひ、愛道園で万葉牛と食べて、至福の時間をお過ごしください。