台湾や中国のグルメは、日本でも人気ですよね。
台湾・中国グルメを気軽に楽しめる店が、JR福山駅前にあることを知っていますか?
それが「猿記(エンキー/ENNKEE)」です。
猿記では台湾や中国の定番グルメのほか、日本のおなじみの料理もメニューにラインナップしています。
また店内は、台湾の大衆店を思わせるポップな雰囲気。
猿記は、東京や大阪で注目されている日本の大衆中華店に台湾や中国の要素を加えた、「ネオ大衆中華」「ディープ中華」の店です。
猿記について魅力やこだわり、人気・おすすめメニューなどを深掘りしていきます。
- トイレは「ウォータリング・ホール」内共用
- 店内席は禁煙、テラス席は喫煙可能
猿記(エンキー)は福山駅前・伏見町にある日本・台湾・中国の料理が楽しめる店
猿記は、日本・台湾・中国の料理が楽しめる店です。
所在地は、JR福山駅のすぐ南東・伏見町の一角。
伏見町にあるビル「ウォータリング・ホール(WATERING HOLE)」の1階にあります。
「備後福山ブルーイングカレッジ&THE BEER」や「Join Spot 伏見町/フリーマン コーヒー」、太進館の運営する「マリンショップ Umi+(ウミト)」などが入居している建物です。
ウォータリング・ホールの向かいには「旧水曜カレー」や「富久屋本舗」「今川茶舗」など。
注目のエリアに猿記はあります。
猿記の店舗は、ウォータリング・ホールの向かって一番左側(西側)のスペースです。
店内はこぢんまりとしています。
淡い水色の壁や黄色・桃色の提灯飾りなどがあってポップで明るい印象。
実は店内の色使いや装飾は、台湾の大衆飲食店などでよく見る雰囲気をイメージしているのです。
さらに席には、小学校などで使われる学校机・学校椅子を使用しています。
とても懐かしい印象です。
テラスには、ビールケースを活用したユニークな席もあります。
鮮やかな色彩の椅子や、ポップなパラソルが印象的です。
なお店内は禁煙ですが、テラス席では喫煙ができます。
猿記(エンキー)のメニュー
2022年(令和4年)6月時点の情報。 価格は消費税込
猿記は、日本・台湾・中国の大衆的な料理が楽しめます。
ドリンクには、日本のビールのほかに「台湾ビール」や、中国の「青島(チンタオ)ビール」がありました。
日本の料理としては「尾道ラーメン」や「焼餃子(やきギョウザ)」「おでん (冬のみ)」「浅漬胡瓜(キュウリ)」などがあります。
地元・備後の名物である尾道ラーメンも置いてあるのは、うれしいですね。
壁に貼られたメニューには「カツオのタタキ」もありました。
台湾の料理は「台湾ビーフン」や「ルーロー飯(ハン)」「台湾ちまき」「タージーパイ(台湾風から揚げ)」などがラインナップ。
ビーフンは神戸市の食品メーカーのものが知られていますが、猿記の台湾ビーフンはちょっと違った味わいのビーフンを楽しめます。
日本のビーフンは、炒めるイメージがありませんか。
台湾の本場のビーフンは炒めるというより、汁といっしょに煮るようなイメージなのです。
そのため、台湾ビーフンはサッパリとした味わいが特徴。
またルーロー飯は、台湾の外食グルメの定番ともいえる人気のフードです。
中国の料理としては「水餃子」のほか、「中華粥(ちゅうかがゆ)」「焼小籠包(やきショウロンポウ)」「西安ヨーポー麺」など。
中華粥は、内容が月替わりで提供されます。
取材時(2022年6月)の中華粥は「豚団子とピータンの粥」でした。
また猿記では中華粥だけでなく、月替わりの麺料理があるのも注目です。
取材時の月替わり麺料理は「ジャージャー麺」でした。
月替わりなので、さまざまな料理が楽しめるのが魅力ではないでしょうか。
毎月どんな料理か気になり、ついつい通ってしまいそうですね。
なお猿記では、ほぼすべてのメニューが持ち帰り可能です。
おすすめメニュー・人気メニューを紹介!
猿記の数あるメニューのなかから、おすすめのものや人気のものをピックアップして紹介します。
焼餃子
「焼餃子(やきギョウザ)」(7個 420円)は、猿記を代表する名物メニューです。
一皿に7個盛りつけられていました。
猿記の焼餃子は、皮がカリカリになるほどシッカリと焼かれているのがポイント。
食べると、皮のカリカリとした食感と香ばしい風味が楽しめました。
中は肉がタップリでジューシーです。
キャベツもたっぷりと入り、ニンニクのよい風味がしてきます。
何もつけなくても十分おいしいです。
もちろん、餃子のタレを漬けて食べるのもおすすめ。
ごはんのおかずにすると食が進みそうです。
また、ビールのおつまみにすると相性抜群でしょう!
なお「餃子ライス定食」(800円)を注文すると、ごはんとスープに餃子が14個も付いていきます。
焼餃子好きにおすすめです!
水餃子
猿記では焼餃子だけでなく「水餃子」(6個 420円)も販売しています。
日本では餃子といえば焼餃子ですが、中国では餃子といえば水餃子が標準です。
しかも中国では、主食として水餃子を食べるそう。
水餃子は、一皿に6個盛りつけられていました。
水餃子は焼餃子と違い、ゆで上げてつくります。
猿記の水餃子の形は、焼餃子とは違った丸っこい独特の形をしていました。
皮も焼餃子とはまったく違っていて、かなり厚めです。
食べると皮はまずプルンとし、噛みしめるとモッチリとした食感。
そして、中から汁があふれ出してきました。
肉の味わいもシッカリと楽しめます。
サッパリとした味わいなので、ドンドンと食べ進めてしまいました。
途中で付属のカラシをつけると、ピリッとしたアクセントが加わってうまいです。
ちなみに焼餃子のところで紹介した「餃子ライス定食」は、焼餃子か水餃子かを選べ、水餃子の場合も14個ついてきます。
尾道ラーメン
猿記には「尾道ラーメン」(600円)もあります。
尾道ラーメンは、地元・福山を含む備後地方を代表するご当地グルメのひとつです。
醤油スープに豚の背脂がたくさん散りばめられています。
スープはやや甘めの味わいで、背脂はプニプニとした食感と甘さです。
麺は平打ちで、モチモチとした食感。
スープとよく絡みます。
具材はシンプルで、ネギとメンマ、大きめのチャーシューが1枚です。
猿記の尾道ラーメンは、尾道ラーメン専門店に負けない、とてもおいしいラーメンだと思います。
スープまですべて完食しました。
ルーロー飯
「ルーロー飯」(490円)も、猿記で訪れたときに外せないメニューです。
ルーロー飯は、ごはんの上にサイコロ状にカットされた豚肉の角煮を載せて上からタレをかけ、半熟の味付け玉子や刻みネギ、パクチーなどを添えたもの。
豚肉は、ホロホロの赤身とトロトロの脂身がたまりません。
甘辛い味がシッカリと染みています。
甘いタレをまとったごはんといっしょに豚肉を食べると、最高においしいです。
そしてネギやパクチーのシャキシャキ感や風味が、アクセントになります。
玉子を割ると、黄身は見事な半熟。
トロッとしたなめらかな舌触りで、甘辛いタレ味が黄身の風味とよく合います。
なおルーロー飯は、水餃子とセットになった「台湾ルーロー飯定食」(800円)もあり、おすすめです。
ヨーポー麺
「ヨーポー麺」(690円)は、中国は陝西省(せんせいしょう)・西安(セイアン、シーアン)の麺料理です。
ユニークで、インパクトも抜群な料理ではないでしょうか。
ビャンビャン麺の上には刻みネギやパクチー、サイコロ状にカットされた豚肉がトッピングされています。
その上から、トウガラシなどのスパイスが振りかけられていました。
麺の下にタレがあり、全体をよくかき混ぜて食べます。
幅広い麺は、食べると非常にモチモチとした弾力のある食感でクセになりそう。
甘辛味のタレとスパイシーな風味をまとい、やみつきになるおいしさでした。
日本・台湾・中国の料理が楽しめる店・猿記。
猿記の代表・古賀大輔(こが だいすけ)さんにインタビューをしました。
猿記(エンキー)の代表・古賀 大輔さんにインタビュー
日本・台湾・中国の料理が楽しめる店・猿記(エンキー)。
猿記の代表・古賀大輔(こが だいすけ)さんにオープンの経緯やこだわり、今後の展望などの話を聞きました。
台湾や中国へ旅行した気分で楽しめる店を
──開業の経緯を聞きたい。
古賀(敬称略)──
オープンしたのは、2022年(令和4年)1月です。
猿記は、台湾や中国のお店に来たような雰囲気の店づくりをしています。
私の会社が運営している店は、どこも「旅行気分で楽しめる」というのをコンセプトにしているんです。
そのため猿記も同じく、旅行気分で楽しめる店にしています。
──店名の由来は?
古賀──
猿記の記(キー)の部分は、中国などの飲食店によく使われている語句なんです。
猿記の猿(エン)は、コロナ禍で時間があるときによく映画を見ていたのですが、たまたま『猿の惑星』を見たときにピンときました。
「猿記」で「エンキー」だと語呂もよく、老若男女に覚えてもらいやすそうだったので猿記に決めました。
日本の大衆中華・町中華に台湾や中国現地の店の要素を加える
──なぜ、台湾や中国の料理や雰囲気になった?
古賀──
コロナ禍になって空き時間ができたので、飲食店仲間と中国・四国・近畿など近隣地域へよく視察に行き、飲食店を訪れていました。
そこで餃子を食べることが多かったんです。
そのうち、餃子の専門店をしようと考えるようになりました。
でも餃子以外にもいろいろなメニューを頼んでいくうちに、「餃子屋のサイドメニューはおいしいものが多いな」「台湾料理はおいしいな」「楽しい雰囲気の店だな」という気付きがあったんです。
それで餃子を中心にして台湾や中国などの料理が広く楽しめ、現地のような雰囲気をした店内の店というコンセプトが決まりました。
日本に昔からある大衆中華・町中華に、台湾や中国の現地にある店の要素を加えた、新しい大衆中華・町中華です。
実はこのような業態は東京や大阪などには登場していて、「ネオ大衆中華」や「ディープ中華」などと呼ばれています。
ネオンの飾りつけなどしているので「ネオン系」などともいわれていますね。
台湾などに行くとネオン飾りなどが多いんです。
まだ福山では少ない業態の店を出して、福山に根付かして街に活気を与えたいなと思いました。
あと当店の店内は、水色などを使ったポップな色使いをしています。
これは、台湾の大衆的な店に多い雰囲気なんです。
なので台湾に旅行したり住んだりしていたかたが来店されて、とても懐かしいという声を聞きますね。
楽しんでもらうために”ちょっとした違和感”を与える
──台湾や中国の料理以外にも、「おでん」などの日本の料理や「尾道ラーメン」のような地元のグルメもあるのはなぜ?
古賀──
“ちょっとした違和感“を出したいと思ったからです。
台湾・中国らしい店構えとメニューのなかに、日本らしいメニューを入れることで「なぜ?」と思ってもらいたかったんですよ。
「なぜ」と感じることで楽しんでもらい、注文してもらうキッカケになればいいなと。
それで日本・台湾・中国の料理を出すというコンセプトが生まれました。
──月替わりで中華粥や麺料理も出している。
古賀──
いろいろ視察に行っていたとき、おいしい中華粥を食べる機会がありました。
ぜひ福山のみなさまにもおいしい中華粥を食べてもらいたいと思ったのがキッカケです。
いろいろな種類の中華粥があるので、月替わりという形で提供することにしました。
月替わり麺料理は、おもに台湾と中国の麺料理を中心に出しています。
台湾や中国の麺料理を、少しずつ知ってもらいたいという思いで始めました。
月替わり麺料理は、猿記の名物のひとつですね!
台湾や中国の料理を通じて、食の楽しみを感じてほしい
──今後の展望ややってみたいことを教えてほしい。
古賀──
コロナ禍で外食をする機会が減りました。
コロナ禍が落ち着いたら、みなさまに「ここに行ってみたいな」と思われるようにがんばっていきたいと思います。
そのためには「名前を聞いたことはあるけど、食べたことはない。メニューにあれば食べてみたい」ような料理を出していきたいですね。
めずらしすぎず、古すぎず、かといって新しすぎないような料理です。
台湾や中国の料理を通じて、食の楽しみを感じてもらえればうれしいですね。
コロナ禍で失われた街の活気を、少しでも取り戻すキッカケになればいいかなと思います。
日本・台湾・中国などの料理が楽しめる猿記
福山にいながら、まるで台湾に来たように錯覚してしまいそうな雰囲気の猿記。
メニューも台湾や中国の料理が楽しめ、異国情緒を感じます。
いっぽうで、尾道ラーメンなどおなじみの料理も楽しめるのも魅力です。
福山駅前に訪れた際には、猿記に寄って日本・台湾・中国のおいしい料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
- トイレは「ウォータリング・ホール」内共用
- 店内席は禁煙、テラス席は喫煙可能