事件の容疑者特定に役立てる「捜査用似顔絵」の競技会が14日、鑑識課や各署から約50人が参加し横浜市中区の神奈川県警本部で開かれた。目撃者役から犯人の顔の特徴を聞き出しつつ、消しゴムで何度も微調整を重ねながら鉛筆を走らせた。
2017年から行われていて、今年は新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりの開催となった。犯人の顔写真を見た目撃者役に対し「太っていたか、痩せていたか」「耳の形はどうだったか」などと質問を繰り返し、約30分で仕上げた。
競技会の前には、研修会も行われ、鑑識課の村上治男課長代理らが、顔の特徴を表現するためのポイントなどを講義した。
最優秀賞に輝いた幸署刑事課の笈川翔紀警部補は「全体の印象を聞いてから、目鼻や唇など個々の特徴を引き出せるよう意識した。現場で犯人検挙につなげたい」。鑑識課の小泉康治課長は「近年は似顔絵を作成する機械もあるが、細かな部分が表現できる手書きの有用性は変わらない。技術の向上に努めてほしい」と期待した。
同課によると、県警は昨年1年間で全国最多の2429枚の似顔絵を作成し、うち74枚が犯人の特定に結び付くなど効果を上げている。