ある時、ゼノ修道士が東京の上野公園を歩いていると、ゴトーさんという男性が懐かしそうに声をかけてきました。しかし、ゼノ修道士は男性が名乗ったゴトーを長崎の五島と勘違いしてしまい、ちぐはぐな問答をすることになりました。
ゴトーさんは終戦直後、仕事がなく、強盗をして捕まり、刑務所に入れられてしまいました。そして出所した直後にゼノ修道士と出会い、色々とお世話してもらったのです。
ちぐはぐな問答の後、ゴトーさんは目に涙を浮かべながら、しっかりとゼノ修道士の手を握り、お世話してくれたことへの感謝の気持ちを伝えたそうです。
聖母の騎士 2022年12月号より掲載