上越市の横畑集落に伝わる小正月行事「馬」が11日、同所の古民家カフェ「平左衛門」を会場に行われた。
馬のように茶の間を跳ね回り、無病息災や豊作を願う。横畑集落でのみ伝わり、旧暦小正月に行われている。昭和53年に一度途絶えたが、平成10年に地元有志の「明日の桑取を考える会」が復活させた。同15年からはNPO法人かみえちご山里ファン倶楽部(石川正一理事長)が主催し、地元住民や中学校などと連携して行っている。
コロナ禍での休止を挟み、今年は3年ぶりの実施。地元有志ら大人による「大馬」に加え、潮陵中生徒による「馬」、飛び入り参加の子どもたちの「小馬」が行われた。
茶の間の3カ所で3回ずつ跳ぶことを3周分、合計27回跳ぶのが習わし。跳ねるたびに見物の住民たちから「よいしょ」と掛け声が上がった。今年は追加でもう1周跳ぶほどの盛り上がりで、3年分の思いを込めた「馬」となった。
中学時代以来に跳んだという曽我昂さん(21、同市大渕)は「久々に跳ぶのできつかったが、続けていかなくてはいけない大事な行事。豊作やコロナ終息で、みんなが幸せに暮らせることを願って跳んだ」と話していた。
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