綾瀬市立図書館(同市深谷中)は、視覚障害者向けの新たなサービスを開始した。利用者個人が所有するスマートフォンやタブレット端末の音声読み上げ機能を使って電子書籍が楽しめるもので、県内の公立図書館で初めての導入という。
同図書館は、交通利便性の悪さなどを補おうと、2018年度に電子図書館サービス(電子書籍貸出事業)を導入。今回の「アクセシブルライブラリー」も、同サービスを担ってきた事業者が開発した。
同市では「視覚障がい者等の読書環境の整備に関する法律」が19年6月に施行されたことを受け、読書のバリアフリー化の検討に着手。こうした専用サービスは全国の公立図書館で10例目という。
利用対象は市内在住の視覚障害者。窓口で障害者手帳を確認して専用IDを配布する。利用できる電子書籍は小説や実用書など1万5千点。
同図書館は「視覚障害者用サービスとしては対面朗読や録音送付を用意しているが、昨年度は利用者がないなど低調だった。今回のサービスは操作しやすい仕様で、好きな本がいつでも選べる」と説明している。