漬物の味を守りたい、工房をJR雫石駅構内に今秋オープン

手作りの漬物を守る取り組みを始めた渡辺和義さん。手にした木だるは分解し、工房の看板に造り替える

 岩手県内で危機にひんしている漬物の味を守るため、雫石町で新たな取り組みが始まった。食品衛生法改正に伴い製造販売を断念した生産者向けの「漬物工房シゴロ(仮称)」が今秋、JR雫石駅(雫石銀河ステーション)構内にオープンする。地元事業者の計画で、来年に加工施設を貸し出しながら、口伝のレシピをデータ化するなど生産者の在り方を考え、昔ながらの食文化を次世代につなぐ。

 冷蔵庫や真空包装機が置かれた駅構内。同町上野の雫石レンタル菓子工房ウタカネを運営するオフィススゴロク(渡辺和義代表社員)が「シゴロプロジェクト」と銘打ち、着々と開設準備を進めている。

 数年前まで総菜加工の盛り付け室だった駅2階の空きテナント(17平方メートル)を活用し、漬物製造に必要な営業許可を今後取得。今秋、自社商品の開発・製造販売を始め、加工施設を貸し出して事業をサポートする。

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