お年寄りに手作りランチ 諫早農高の訪問活動が30周年 記念のリースなど贈る 長崎

塚元さん(左)に記念リースを手渡す高校生ら=諫早市内

 長崎県立諫早農業高(前田達彦校長、774人)で取り組む「地域の高齢者宅訪問」が30周年を迎えた。調理実習で作った昼食を諫早市内の高齢者と一緒に味わう同校生活科学科3年生の授業の一環。4日は、生徒39人が10人の高齢者を訪れ、記念の手作りリースなどを贈った。

 高齢者宅訪問は、コミュニケーション能力の向上や、地域に愛され貢献できる人材の育成などが狙い。年8回、校内で作った昼食を届けている。
 この日のメニューは、ちらしずしや煮物など4種類。校内で育てたナスや卵などを使い、味が濃すぎないように気を配った。
 生徒は数人ずつに分かれ、高齢者を訪問。塚元愛子さん(85)宅を訪ねた小山ひなのさん(18)ら4人は「たくさんの人に支えられ、長く活動を続けられた」とあいさつし、造花などで作ったリースを贈った。大ファンだという米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の話をしながら、昼食を味わった。
 塚元さんは「楽しいし、かわいい。高校生が来る日は張り合いがあり、カレンダーに印をしている。薄味の料理は慣れたらとてもおいしく、たくさん食べられる」と笑顔。小山さんは「自分のおばあちゃんのように温かい気持ちで迎えてくれる。30年続く活動が社会貢献になればうれしい」と話した。

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